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韓国政府、慰安婦支援のための「和解・癒やし財団」の解散を決定

登録:2018-11-21 08:25 修正:2018-11-21 09:06
慰安婦合意により設立してから 
2年4カ月で解体手続き 
韓日関係への影響予想される
ソウル鍾路区の駐韓日本大使館前に設置された平和の少女像//ハンギョレ新聞社

 政府が21日、日本との「12・28慰安婦合意」により設立された和解・癒やし財団の解散決定を発表する予定であることが分かった。同財団は慰安婦被害者ハルモニ(おばあさん)の意思が反映されておらず、日本の真の謝罪もないという批判世論が高まりを受け、設立から2年4カ月で解体の手続きに入るようになった。しかし、日本企業に日帝による強制徴用被害の賠償を命じた先月30日の最高裁判所(大法廷)の判決に日本政府が反発している中、和解・癒やし財団が解散手続きに入ったことで、韓日関係は難航するものとみられる。

 政府高官は20日、「早ければ21日、和解・癒やし財団の解散決定を発表する案を関係省庁(女性家族部)で検討していると聞いている」と話した。同高官は「日本政府が和解・癒やし財団に拠出した10億円の処理方針は、日本との協議を経て決める予定であり、今回の発表には含まれない」と伝えた。

 別の政府高官も「韓国政府はこれまで数回にわたり、慰安婦合意では慰安婦被害者の問題を解決できず、和解・癒やし財団がこれ以上機能できない状態であることを日本側に説明してきた」とし、「和解・癒やし財団の発表をこれから行わなければならない状況」だと話した。ジン・ソンミ女性家族部長官は先月24日、「和解・癒やし財団を解散する方針をほぼ固めた」とし、「10月末または11月初めに確定するだろう」と明らかにした。

 政府は和解・癒やし財団の解散まで、法的手続きに6カ月~1年ほどかかるものと見ている。同期間、日本政府が財団設立に拠出した10億円の残余基金について、日本と協議していく方針だ。

 和解・癒やし財団は、朴槿恵(パク・クネ)政権時代の2015年12月28日に締結された「韓日慰安婦合意」により、日本政府の拠出金10億円で翌年7月に発足した。財団は10億円で被害者とその遺族に対する治癒金支給事業を行い、生存被害者34人(2015年12月現在、慰安婦合意時点を基準)と死亡者58人に計44億ウォン(約4億4千万円)を支給した。

 しかし、昨年5月の文在寅(ムン・ジェイン)政権発足後、政府が「慰安婦合意」を見直し、日本が拠出した10億円を全額政府予算で賄うことを決めると共に、財団の理事陣のうち民間人が昨年末まで全員辞任したことで、財団は事実上機能停止状態となった。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は今年9月、米ニューヨークで安倍晋三首相と会談し、「慰安婦被害者と国民の反対で和解・癒やし財団が正常な機能を果たせず、枯死せざるを得ない状況だ」とし、「賢明に決着をつける必要がある」と述べた。

 日本政府は、和解・癒やし財団が解散すれば韓国政府に対し厳重に抗議するが、財団の解散が合意の破棄に当たるという表現は使わない方針だと、共同通信が20日付で報じた。韓国政府が、財団の解散が「慰安婦合意破棄」ではないと明らかにした状況で、日本政府が先に破棄を宣言した場合、再交渉などを求められることを懸念したものと見られる。日本は解散決定を批判し、韓国に慰安婦合意の履行を圧迫してく方針だ。

パク・ミンヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/871087.html韓国語原文入力:2018-11-2022:27
訳H.J

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