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弾力労働制拡大の悪影響…怒った労働界「改悪を阻止する」

登録:2018-11-07 10:00 修正:2018-11-07 17:16
正義党も「労働時間短縮を無力化させる」 
民主党、労使間の合意がなされなかった場合 
国会で後続立法案を話し合う意思 
党の一部では「労働政策の後退」を懸念
今月6日午前、国会の前で開かれた全国民衆大会宣告の記者会見で、参加者たちが民衆大会の日付である12月1日を形作った箱を組み立てスローガンを叫んでいる=パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領と与野党の院内代表が5日、与野党と政府間の国政常設協議体の初会議で「弾力労働制拡大に向けた立法の決着」に合意したことをめぐり、反発が続いている。国政新設協議体が発表した12の合意条項のうち「弾力労働制拡大」に反対するという意思を合意文に入れた正義党は6日、「弾力労働制拡大を阻止する」と宣言した。共に民主党の一部からも、労働政策の後退を懸念する声があがっている。労働界は、今年7月から実施された労働時間短縮の趣旨を揺さぶる「改悪」として反発した。

 正義党のユン・ソハ院内代表はこの日、国会で開かれた議員総会で「弾力労働制は労働時間短縮の効果を完全になくしてしまう制度」だとし、反対の立場を明確にした。さらに「韓国はすでに世界で最も長時間働く国であり、労働災害死亡者の割合も経済協力開発機構(OECD)で最高水準」だとし、「弾力労働制を6カ月以上に拡大するということは、企業主たちの立場に寄り添い労働者の安全を見捨てること」と強調した。弾力労働制は、仕事の多い期間の労働時間を増やし、他の期間の労働時間を減らして「特定単位期間」の平均労働時間を法定労働時間に合わせる制度だ。現在、自由韓国党と正しい未来党は、この特定単位期間を現行の3カ月から最大1年まで延長するという立場であり、民主党は6カ月程度を検討している。

 民主党のホン・ヨンピョ院内代表はこの日、ハンギョレとの電話インタビューで「1年拡大は受け入れられない。休憩時間の保障など、補完条件を通じて6カ月程度まで拡大する案を考えている」と明らかにした。また、前日の合意について、「ひとまず経済社会労働委員会の社会的対話をめぐる議論を見守るが、(委員会で)対話で解決できないようならば国会が出て今回の通常国会中に後続立法について話し合う」と述べた。しかし、経営界の要求どおり弾力労働制を拡大すれば、労働時間短縮の趣旨が揺らぐという懸念もある。

 共に民主党のある重鎮議員は、経営界の被害を減らす方向について考えなければならないとしながらも、「経営界の要求に応じて、最低賃金の引き上げに続き労働時間の短縮など政府の労働政策が(引き続き)後退するのではないかと懸念される」と述べた。韓国労総出身で国会環境労働委員会所属のイ・ヨンドク民主党議員も「週52時間制の実施して間もないのに制度を見直すなんて、理解できない。弾力労働制の期間拡大に反対する」と述べた。

 一方、民主労総など52の市民社会団体が参加した民衆共同行動はこの日、国会正門前で記者会見を開き、「与野党と政府の国政常設協議体の合意は大統領府・政府・国会が財閥資本の請願窓口機能を忠実に果たしていることを示している」とし、「弾力労働制拡大の改悪を強く阻止する」と明らかにした。

イ・ジョンエ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/869112.html韓国語原文入力:2018-11-06 21:58
訳M.C

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