来年度の最低賃金が今年より10.9%上がった時間当たり8350ウォン(約830円)に決定された。
最低賃金委員会は14日、政府世宗(セジョン)庁舎で第15回全員会議を開き、来年度の最低賃金を今年に比べて820ウォン(10.9%)上がった8350ウォンで議決した。1日8時間ずつ一カ月働いた時に受け取る給料に換算すると、174万5150ウォン(約17万3400円。週40時間基準、月所定労働時間209時間)だ。これは一週間きっちり働いた時に受ける週休手当ても含めた金額だ。来月3日に雇用労働部長官が告示すれば、来年1月1日から法的効力が発生する。
来年度の最低賃金水準の議決には、27人の最低賃金委員のうち、リュ・ジャンス委員長を含めた公益委員9人と韓国労総の推薦労働者委員5人だけが参加した。使用者委員9人全員と民主労総の推薦労働者委員4人は参加しなかった。民主労総の推薦委員たちは5月の国会での最低賃金算入範囲の拡大措置の後から、使用者委員たちは10日の業種別最低賃金差等適用案が否決された後から、会議に出席しなかった。委員会は、最低賃金最終審議に先立ち13日に使用者委員らに会議への復帰を要請したが、結局返答を聞くことはできなかった。
最低賃金委員会は13日午前から14日午前4時40分まで続いたマラソン会議の末に、公益委員案8350ウォン(10.9%引き上げ)と労働者委員たちの1次修正案である8680ウォン(15.3%)をめぐり表決を行った。労働者委員が提案した修正案が6票、公益委員案が8票を得た。公益委員のうち1人が労働界が出した修正案に票を投じた結果だ。
今回の決定で、来年以降の最低賃金の影響を受ける労働者は290万人から最大で501万人(影響率18.3~25.0%)にのぼると最低賃金委は推定した。
過去の最低賃金決定状況を見ると、使用者や労働者委員らが出席しない時が多かった。むしろ昨年のように労使双方とも表決に参加したケースは7回に過ぎなかった。2016年と2015年には労働者委員らが参加せず、2014年と2013年には表決の際に使用者委員らが退場した。2012年には労働者委員らが多数欠席する状況で使用者委員らが採決の時に退場し、公益委員だけで決定したりもした。
前日、ソウル韓国経営者総協会(経総)に集まり別途会議を開いた使用者委員らは、来年度の最低賃金決定後、予め作成した立場文を発表し、「今回の決定は零細・中小企業と小商工人の切迫した現実を無視して行われたものであり、今後派生するすべての問題に対する責任は決定に参加した公益委員と労働者委員らが負わなければならない」と明らかにした。
韓国労総の推薦労働者委員らも、会議後に発表した立場文で「企業偏向的なマスコミが使用者側の立場を偏向的に報道し、最低賃金の引き上げ政策をじゅうたん爆撃し、政府の経済省庁の首長までが最低賃金決定を目前に控えた時点で公然と速度調節論を提起し、公益委員らを圧迫した」とし、「文在寅(ムン・ジェイン)大統領が公約した最低賃金1万ウォンを2020年までに達成するための最低限の引き上げ率を修正案で提示したが、公益委員らが期待にはるかに及ばない引き上げ率を提示した。低賃金労働者たちに希望的な結果を与えられず非常に残念に思う」と強調した。