米国の朝鮮半島専門家らが、現段階で北朝鮮にすべての核・ミサイル施設のリストを提出するよう要求するのは非現実的だと指摘した。その代わり北朝鮮に核物質の生産中断と関連施設を申告するように説得し、相応措置として終戦宣言+韓米共同宣言または「多国間平和会議」を提案した。マイク・ポンペオ米国務長官の4回目の訪朝を機に、朝米首脳会談が可視化している状況で、北朝鮮の初期非核化措置と米国の相応措置は、近く開かれる朝米実務交渉で集中的に論議される議題だ。
ロバート・アインホーン元米国務省特別顧問(不拡散・軍縮担当特別補佐官)は12日、「ボイス・オブ・アメリカ」(VOA)とのインタビューで「私なら、最初から彼らに(核兵器・施設に対する)完全で包括的な申告を求めない」と話した。彼は「北朝鮮が核物質生産に関するすべての活動を申告し、中断するよう提案して、それは寧辺(ヨンビョン)だけでなく、寧辺以外の(核物質)生産施設を含めるようにする」と付け加えた。また、北朝鮮が査察団訪問前までこれらの施設の位置を申告するようにすれば、「非常に重要な第一歩になるだろう」との見通しを示した。
アインホーン元顧問の提案の中で特に目を引くのは、こうした措置が直ちに北朝鮮が保有するすべての核・ミサイルの規模と位置を公開しなくても進められると指摘した点だ。彼は「これは北朝鮮がまだ(申告の)準備ができていないすべての核兵器とミサイルの数字と位置を明らかにすることとは関係ない」とし、「核物質生産施設の申告についての第一段階は、彼らの準備が整っている措置かもしれない」と説明した。
国内でも、北朝鮮が東倉里(トンチャンリ)ミサイルエンジン実験場や発射台、寧辺核施設の永久廃棄の過程で、北朝鮮に“位置”を除く一次的な核リストの申告を要求できると主張する専門家もいる。
マンスフィールド財団のフランク・ジャヌージ代表も非核化の初期調整で「北朝鮮が核物質生産と関連する施設の完全なリストを提出するよう説得」すべきとし、「これは彼らのすべての核施設に対するリストを要求することとは異なる」と述べた。彼は「したがって核物質生産施設、(すなわち)寧辺の原子炉、寧辺または北朝鮮の他の地域にある高濃縮ウラン(HEU)生産施設関連の完全なリストを確保することを最優先順位に据えるべき」と付け加えた。寧辺にはプルトニウム生産のための5メガワットの黒鉛減速炉(原子炉)と、2010年にヘッカー米スタンフォード大学名誉教授が訪問したウラン濃縮施設がある。米国側は、北朝鮮には「降仙(カンソン)」など未公開のウラン濃縮施設があるという疑念も抱いている。
これに対し、米国が取るべき相応の措置と関連し、アインホーン元顧問は「条件付きの終戦宣言」を提案した。同長官は「相応措置としての終戦宣言は可能だ」とし、「朝鮮半島の平和(構築)以降も、韓米安保同盟と朝鮮半島内の在韓米軍の駐留を維持する内容の韓米共同声明を並行すること」を提案した。
ジャヌージ代表は「70年間続いた朝鮮戦争を宣言方式で終わらせようとするよりは、米国や韓国、北朝鮮、中国が終戦の案をめぐり、細部内容を用意する平和会議を開くのが適切だ」と主張した。「ボイス・オブ・アメリカ」はジャヌージ代表が、北朝鮮が望むもう一つの相応措置である制裁緩和に関する細部内容も、実務交渉で話し合われるだろうとし、制裁緩和は北朝鮮の具体的な非核化措置と一致する「具体的な行動に対する結果」として非常に慎重に測定されるべきだと話したと報じた。