「李明博(イ・ミョンバク)大統領府」が10日、警察と国家情報院(国情院)から宗教界に関する査察文書を受け取っていたことが確認された。ソマン教会の長老だった李元大統領は、ソマン教会の人脈を国政に積極的に重用しており、ソウル市長時代には「ソウル奉献」発言で物議を醸すなど、キリスト教に強い愛着を示してきた。
この日ハンギョレが共に民主党のホン・イクピョ議員を通じて国家記録院で確認した李明博政権の査察文書37件によると、李明博政権時代の大統領府はイスラム教と仏教など宗教界の動向について詳細な報告を受けていたことが分かった。「韓国イスラム教財団の地方聖院の独自勢力化の拡散に関する懸念」と題された文書では、「韓国イスラム教財団が最近、釜山イスラム聖院の韓国イスラム教中央会からの分離を推進している中、中央化に加入せず、金海(キムへ)イスラム聖院が開所するなど、地方聖院の独自勢力化が広がっている」とし、ムスリムの拡散に憂慮を示した。仏教界に関しては、「曹渓宗総務院など仏教界の最近の雰囲気」や「仏教界の最近の特異動向」、「仏教界の周辺の噂」などの査察文書が報告されたことが確認された。しかし、国家記録院がこれらの文書の閲覧を制限し、具体的な内容は公開されなかった。キリスト教の動向も含まれていた。キリスト教界の査察文書では、「キリスト教界ではチョン・グァンフン牧師が9月にキリスト教自由民主党創党大会を開催しており、キム・チュンリプ牧師を党代表に選出した。キリスト教内部で非難世論が高いが、チョン牧師は第18代総選挙でキリスト教愛実践党を作り、44万票を獲得した底力に自信を持っている」と記されている。
これらの査察文書は、2012年のDDoS(2011年ソウル市長選で選管委のホームページが攻撃を受けた事件)特検が、大統領府政務首席室行政官のK氏の自宅の家宅捜索で確保した文書(計715件)の一部だ。国家記録院は、個人情報の保護などを理由に、このうちの一部(37件)のみ制限閲覧できるようにした。ホン・イクピョ議員室は、国家記録院で閲覧資料を筆写し、このような内容を確保した。
今回公開された37件の文書には、政党や国会議員、マスコミから市民団体の査察内容も含まれている。「市民政治組織の最近の動き」に関連しては、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が共同代表を務めていた団体「革新と統合」について、「準備段階から親盧系(盧武鉉派。イ・へチャン、キム・ドゥグァンなど)が大勢参加しているが、『手足はなく頭だけの』形で地域の動力が不十分だ」と評する一方、チョ・グク現大統領府民政首席が当時共同代表を務めていた「私の夢見る国」については「野党統合の動きが進められる中、ある程度の力を持つ政治主体として、勢力拡大も狙っているとされる」と言及した。このほかにも「民主党、野党統合の争点調整に奔走」や「検察、SKに続き、曉星や韓進、CJの企画捜査を検討」、「選管委、チョン・ドンヨンの選挙法違反に対する検察の徹底的な捜査を要望」、「親朴(朴槿恵派)、大統領の脱党に否定的な立場」など、政界と財界を査察した文書が多数含まれていた。ホン・イクピョ議員は「警察から国家情報院に至るまで、主要な国家機関が李明博政権の興信所に転落していたことが分かった。徹底した真相調査が行われ、国民のための警察に生まれ変わる契機としなければならない」と話した。