本文に移動

裁判所「ダースは李明博のもの」…懲役15年・罰金13億円

登録:2018-10-06 05:53 修正:2018-10-06 10:06
横領25億円・サムスンの賄賂など9億円「有罪」 
懲役15年・罰金13億円…裁判部「反省の色見られず」
自動車部品会社ダースの資金を横領し、サムスンなどから巨額の賄賂を受け取った容疑で起訴された李明博元大統領の1審の判決公判が5日午後、ソウル瑞草洞のソウル中央地裁417号大法廷で開かれている=写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 裁判所が自動車部品メーカー「ダース」の実質的な所有者は李明博(イ・ミョンバク)元大統領(77)だと判断した。ダースの有償増資に使われたソウル市道谷洞(トゴクドン)の土地も彼のものだと明らかにした。2007年の大統領選挙を控えて浮上した「ダースは誰のものか」という国民的な質問に対する裁判所の初めての答えは懲役15年の実刑だった。

 ソウル中央地裁刑事27部(裁判長チョン・ゲソン)は5日、ダースの法人の資金を横領し、サムスンからダースの米国現地訴訟費用を賄賂として受け取るなど、16件の容疑で起訴された李元大統領の1審判決で、横領(247億5千万ウォン)や賄賂(86億5千万ウォン)など7つの核心の疑いに対して有罪を認め、懲役15年に罰金130億ウォン(約13億円)、追徴金約82億7千万ウォン(約83億円)を言い渡した。国家情報院の特殊活動費を使って公職の任命と公認などの見返りにイ・パルソン元ウリィ金融会長とキム・ソナム元議員から金銭を受け取った容疑についても、賄賂罪などが認められた。

 裁判所は2007年の大統領選挙以降、論議が絶えなかったダースの実質的な所有者をめぐる疑惑と関連し、「ダースの前職・現職の役職員や親戚・姻戚などの供述、関連帳簿や文書、口座の内訳などから、被告人が所有者で裏金づくりを指示したという事実が十分に認められる」と明らかにした。2007年の大統領選挙当時、「道谷洞の土地がなんだって? BBKが何だって? 真っ赤な嘘です」と述べた李元大統領の言葉が「真っ赤な嘘」だったわけだ。

 裁判所は同日、判決で「ダースの実質的な所有者が誰なのかは有罪・無罪を判断するうえで先決問題」だとして、李元大統領を実質的な所有者と判断した根拠を一つひとつ明らかにした。裁判所は李元大統領が、ダースの設立過程及び有償増資に関与▽息子のイ・シヒョン氏への持ち株の移転および息子が主要経営権を行使▽長兄イ・サンスン氏のダースの持ち株に対する処分・収益権限の保有▽長期間にわたるダースの資金の使用などを挙げ、「ダースの経営権と最大の株式を保有した所有者は李元大統領」だと述べた。

 裁判所は「2007年の大統領選挙を控えて各種の疑惑が持ち上がったが、被告人の潔白を信じた多数の国民たちのおかげで大統領に当選した。しかし、今回の裁判の結果、被告はダースの法人資金247億ウォン(約25億円)を横領し、サムスンから訴訟費用61億ウォン(約6億1千万円)を受け取り、結果的にイ・ゴンヒ会長が赦免された。公職任命などの見返りに約23億ウォン(約2億3千万円)を受け取り、ウォン・セフン元国情院長から10万ドルの賄賂を受け取った」と批判した。特に「被告人は過ちを反省せず、自分の指示を受けて働いていた親戚と側近が犯行を犯したとし、責任を周りに転嫁した」と、重刑判決の理由を明らかにした。李元大統領は同日、1審の判決の生中継に反発し、法廷に姿を現さなかった。

キム・ミンギョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/864679.html韓国語原文入力:2018-10-05 21:53
訳H.J

関連記事