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「李明博が殺した」…双龍自動車解雇者など豪雨の中で絶叫

登録:2018-08-28 21:57 修正:2018-08-29 17:55
「双龍自動車暴力鎮圧」李明博大統領府が承認 
国家暴力責任者の処罰を要求 
「公訴時効終わっても特別法制定 
李明博、チョ・ヒョノに罰を受けさせなければ」 
「労組瓦解文書」真相調査も要求
双龍自動車解雇労働者キム・ソンドン氏が28日午前、警察庁人権侵害事件真相調査委員会の「双龍自動車強制鎮圧事件」報告書発表後、ソウル市西大門区の警察庁前で開かれた記者会見で国家暴力責任者の処罰と政府の謝罪を要求している=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

 「李明博(イ・ミョンバク)が殺した」「国家暴力の責任者を処罰せよ」

 豪雨の中、警察庁前で双龍(サンヨン)自動車解雇労働者が絶叫した。

 「警察庁人権侵害事件真相調査委員会」(真相調査委)が28日、警察による2009年の双龍自動車労組ストライキ鎮圧が「李明博大統領府」の最終承認の下でなされたと明らかにした後、民主労総金属労組双龍自動車支部と双龍自動車汎国民対策委員会(汎国民対策委)はこの日午前、ソウル市西大門区(ソデムング)の警察庁前で記者会見を行い、李明博元大統領とチョ・ヒョノ元警察庁長官を処罰せよと要求した。

 参加者は、当時の鎮圧作戦の「最終承認者」である李元大統領に法的責任を問わなければならないと声を高めた。民主労総のイ・サンジン副委員長は「李元大統領と警察、検察、労働部、会社側は一瀉千里に合同作戦を行い、労働者を暴力で踏みにじった」として「大統領府が最終承認したことが明示され、当時の大統領は李明博だった」と強調した。キム・トクジュン金属労組双龍自動車支部長も「公訴時効が終わった犯罪は、特別法を制定し責任を問わなければならない」と主張した。

 警察による鎮圧作戦当時、双龍自動車組立工場の屋上で座り込みを行っていた解雇労働者キム・ソンドン氏は「警察特攻隊から死の威嚇を受けた当時、同志たちが殴られるのを見ていなければならなかった。復職したとしても、忘れえない苦痛だが、この悔しさを必ず晴らしたい」として涙を流した。解雇労働者カン・ファンジュ氏も「2009年7月、外注警備のチンピラに鉄パイプで殴られ、全身に内出血のあざができた。スリングショット(ゴム銃)で撃たれ、耳も切られた」とし、「私を殴った人々は処罰を受けていない。彼らが罰を受けるようにしてほしい」と話した。

 真相調査委の調査結果によれば、当時警察はヘリコプターから2級発ガン物質が主成分の催涙液を混ぜた水20万リットルを労働者に向けてばら撒いた。低空飛行するヘリコプターの“下降風”を利用して解散を試みる“風作戦”も試みた。また、当時対テロ装備として規定されていたテーザーガン、多目的発射機などを労働者に向けて使った。対テロ作戦に投じるために構成された警察特攻隊が、工場に投入されストライキを鎮圧し、警察同僚の被害に対する報復の次元の暴行を行使した情況も確認された。真相調査委はこうした警察の公権力行使が「警察官職務執行法」と「危害性警察装備の使用基準等に関する規定」に違反した違法行為だと判断した。だが、警察の違法な作戦に対する法的責任は問いにくい状況だ。すべて公訴時効が過ぎたためだ。

 またこの日の集会参加者たちは、双龍自動車ストライキ鎮圧の全貌を明らかにする追加調査が必要であり、特に双龍自動車「労組瓦解」疑惑文書100件余りを必ず調査しなければならないと強調した。これに先立ってハンギョレは、2009年の双龍自動車整理解雇当時、会社側が作成したと見られる文書を入手し、警察、検察、労働部などが会社側と協調して労組を瓦解させようとした情況を4日に報道した。今回、真相調査委は警察など政府機関が会社と協力して労組の瓦解を試みたかについては確認できなかった。キム・トクジュン支部長は「警察庁は特別捜査本部を構成し、真相調査委ができなかった双龍自動車労組と関連する秘密文書の調査をしなければならない。特検と国会国政調査も進めなければならない」と主張した。

 実際、双龍自動車ストライキ当時、警察は会社と労組の交渉に深く介入したとみられる。チョ・ヒョノ元庁長は先月、ハンギョレとのインタビューで「当時C情報分室長とK警正が労使の仲裁をした」と明らかにした。仲裁に出たK警正は、サムスン電子サービス労使交渉の時に会社側の労組対応を支援し、その見返りに6千万ウォン(約600万円)余りを受け取った容疑で最近拘束された。

 イ・テホ市民社会団体連帯会議運営委員長は、記者会見で「明白な国家暴力を明らかにするために、きわめて長い歳月を要した」として「すでに30人が亡くなっているので、今からでも国家が踏みにじられた労働者に対する責任を負わなければならない」と話した。

イム・ジェウ、チョン・ファンボン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/859646.html韓国語原文入力:2018-08-28 19:35
訳J.S

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