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懲役20年を求刑された李明博「不正腐敗・政経癒着…あまりの恥辱」

登録:2018-09-06 21:58 修正:2018-09-07 07:29
李明博元大統領、16分間の最終陳述 
「不正腐敗・政経癒着は最も嫌いなこと 
何よりも戒めて生きてきた私にとって恥辱」 
 
検察「大統領権限を私欲追求手段に」 
懲役20年・罰金150億ウォン・追徴金111億ウォン求刑
ダース資金横領とサムスン賄賂収受などの容疑で起訴された李明博元大統領が6日午後、ソウル市瑞草区のソウル中央地裁で開かれた結審公判に出席するため護送車から降り法廷に向かっている//ハンギョレ新聞社

 被告人席から立ち上がった李明博(イ・ミョンバク)元大統領は、ソウル拘置所で360ウォン(約36円)で売っている緑色のノートを広げ、自筆で書いた最終陳述を読みあげた。「元大統領としてこの位置に立ったことを申し訳なく思う。私はこの6カ月間、誰かを恨むよりは自己の省察と祈祷で過ごした」。「深慮」「陳謝」「謝罪」「反省」で始めたが、後にいくほど無念を訴える声がますます大きくなった。「不正腐敗と政経癒着は、私が最も嫌いなことだ。これを戒めて生きてきた私には、あまりの恥辱だ」。「賄賂の見返りにサムスンのイ・ゴンヒ会長を赦免したという、とんでもない容疑を根拠に起訴したことに怒りを越えて悲哀を感じる」。「ダースの所有権に関連する容疑も、普通の人の常識ではとうてい納得し難い」。自ら書いたという200字詰め原稿用紙22枚分の最終陳述は16分間続いた。

 6日午後、ソウル中央地裁刑事27部(裁判長チョン・ゲソン)は、李元大統領の1審結審公判を開き、検察の求刑意見と弁護人の最終弁論、被告人の最終陳述を聞いた。ソン・ギョンホ・ソウル中央地検特殊2部長は「被告人が犯した反憲法的行為に対する厳重な司法的断罪を通じて、無惨に崩壊した自由民主主義と法治主義の根幹を強固に確立する必要がある」として「被告人に懲役20年、罰金150億ウォン(約15億円)、追徴金111億4131万7383ウォン(約11億円)を求刑する」と述べた。検察は4月9日、借名所有疑惑を受ける“ダース”関連横領(約347億ウォン=約34億円)および租税脱漏(約31億ウォン=約3億円)、サムスンのダース関連米国訴訟費代納などの賄賂収受(111億ウォン余り=約11億円)、大統領記録物流出(3402件)など16種類の容疑で李元大統領を裁判に付した。

 検察はこの事件を「大統領の総体的不正行為が逐一あらわれた権力型不正事件」と規定した。それと共に「不正腐敗、政経癒着、モラルハザード」と批判した。これに対し李元大統領側のカン・フン弁護士は「文化大革命時、毛沢東勢力によって一方的に世論が誘導され、中国の歴史発展が数十年前に後退し、多くの鬱憤に充ちた被害者を量産し、国民分裂がもたらされた」として、検察の捜査が「政治報復」だという主張を繰り返した。李明博大統領府で法務秘書官を務めたカン弁護士は「国民多数の選択によって大統領に選出され、5年間在職した李明博被告人のすべての容疑は無罪」と強調した。

 李元大統領は最終陳述で、大統領として自身の「業績」紹介に重点を置きもした。「幼い時期に苛酷な貧困の中でも、他人のものを欲しがったこともなく、若かりし日には民主化を要求する学生運動に率先参加し監獄に行ったが、不正と妥協したり権力に媚びて利益を求めはしなかった」。「李明博政府は2008年、歴史上最大の金融危機を成功裏に克服した」。執権時期に推進した低炭素緑色成長、G-20首脳会議開催などにも言及した。李元大統領は、チョン・ゲソン裁判長に「政治裁判という憂慮にもかかわらず、司法府を尊重する姿勢を見せることが道理と考え、すべての司法手続きに誠実に従った。私の健康問題を理解して下さった裁判長に感謝申し上げる」と述べた。

 李元大統領の1審宣告は10月5日午後に決まった。

キム・ミンギョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/861006.html韓国語原文入力:2018-09-06 20:01
訳J.S

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