金属労組双龍(サンヨン)自動車支部が、大漢門前の双龍自動車焼香所を20日に解体する。双龍自動車支部は、大統領府が双龍自動車解雇労働者に対する損害賠償および仮差押さえを撤回する意向を見せたとし、焼香所解体の理由を明らかにした。
17日、金属労組双龍自動車支部は、双龍自動車整理解雇に関連して30人目の死亡者である故キム・ジュジュン氏を追悼するために5年ぶりに設けた大漢門前双龍自動車焼香所を20日に解体すると明らかにした。彼らは「イ・ヨンソン大統領府市民社会首席などが(双龍自動車焼香所を)訪問し、双龍自動車支部の退職金仮差押さえをまず解決し、損害賠償請求訴訟の取り下げも手続きを踏んで解決する意志を明らかにした」とし「(双龍自動車支部の)要求事項に対し、政府が誠意をもって乗り出したことを尊重し、大漢門焼香所を整理することにした」と話した。
これに先立って双龍自動車支部は13日、双龍自動車労使の「解雇者全員復職」合意にもかかわらず、政府と解決する問題が残っているとして焼香所の整理を延期した。2009年8月、双龍自動車ストライキの強制鎮圧に対する真相究明、国家の公式謝罪、警察の17億ウォン規模損害賠償請求撤回が彼らの要求だ。
ただし、これと関連して大統領府関係者は「双龍自動車問題の完全な解決に向けて努力するという立場だが、損害賠償の取り下げについては大統領府が自主的に決定できる問題ではない」とし、「様々な複雑な問題があり、現在としては断定的に(損害賠償の撤回を)約束できる状況ではないため、多少困惑している」と慎重な態度を維持した。
これとともに双龍自動車支部は、「イ首席秘書官が、大統領と首相のツイッターの内容が政府の公式謝罪だという立場を伝えた」と明らかにした。双龍自動車労使合意に続き、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と李洛淵(イ・ナギョン)首相がツイッターにあげた祝賀と慰労のメッセージを「政府の公式謝罪」と規定したのだ。
双龍自動車労使合意の翌日の14日、文在寅大統領はツイッターに「とてもうれしく感慨深いです。一方で、長い苦痛の時間が痛みとして残っています。過去9年間、苦痛の中で亡くなった30人の冥福を祈り、遺族の皆様に慰労の言葉を申し上げます」との文を載せた。李洛淵首相は合意当日、ツイッターに「死亡者の冥福を祈り、家族に心からの慰労を差し上げます。労使の苦労と決断に感謝申し上げます。大統領からの要請を聞き入れたマヒンドラ会長、ありがとうございます」という文を載せた。
大統領のツイッターの意見だけでなく、ちゃんとした政府の公式謝罪が必要だという意見が出ている。パク・チョムギュ双龍自動車汎国民対策委メディア担当は「ツイッターに残した個人的感想と政府の公式謝罪とは違う。政府が公式に謝罪し、強制鎮圧などの行為を繰り返さないと明らかにしてこそ、今後どんな政権になっても再発防止が可能になる」と話した。