双龍(サンヨン)自動車のチェ・ジョンシク社長が13日、ソウル中区の大漢門の前に設けられた双龍自動車解雇労働者の故キム・ジュジュン氏を追悼する焼香所を訪れて弔問した。いわゆる「双龍自動車事件」以後、会社側代表が焼香所を訪問したのは初めてだ。双龍自動車労使はチェ社長の弔問直後、解雇者の復職を話し合うための交渉を再開し、葛藤解決の糸口を見出せるか注目される。
チェ社長の弔問には、双龍自動車解雇者の復職問題を解決するため膝を交えた「労労使政」(双龍自動車企業労組、金属労組双龍自動車支部、双竜自動車、大統領直属の経済社会労働委員会)の代表らが同行した。
故キム・ジュジュン氏は2009年、双龍自動車の整理解雇事件による30人目の死亡者だ。キム氏は解雇後復職どころか就職ができなかったため信用不良者(金融ブラックリスト登録者)となり、苦しい生計をつないでいたが、6月に京畿道平沢(ピョンテク)の里山で死亡しているのが発見された。双龍自動車の関係者は「会社の職員だった方が亡くなったため、チェ社長が直接焼香所を訪れ遺憾を示し、故人を追悼した」と話した。
双龍自動車は2009年、法定管理後に構造調整を通じて1800人あまりを解雇した。会社側は2013年に無給休職者454人を全員復職させた後、2015年の労労使3者合意によって2016年40人、昨年62人、今年26人など3回にわたって希望退職者と解雇者などを段階的に復職させてきた。会社側は「これまで解雇者の復職に向けてさまざまな努力を傾けたが、経営改善の遅れなどによる採用の余力不足によって復職が長期化した」と説明した。
しかし、労組は「合意案によって解雇者を全員復職させる」を主張し、集会とデモを続けてきた。会社関係者は「全員の復職要求は厳しい経営環境上受け入れがたいが、社会的対話機構である経済社会労働委員会が参加した労労使政が、もう一度額を突き合わせて問題解決に向けて協議していく」と話した。