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今後は学校近隣にモーテル建築許容? 「規制フリーゾーン法」 拙速可決のおそれ

登録:2018-08-24 16:19 修正:2018-08-25 08:22
観光振興法・個人情報保護法・医療法など
産業育成のための規制緩和で既存法律と衝突
30日処理に合意し法案審査期間ほぼなし
正義党「規制改悪法8月処理中断を要求」
市民団体が2017年11月9日ソウル鍾路区光化門広場で規制フリーゾーン法などの廃棄を要求している=キム・ソングァン記者 //ハンギョレ新聞社

 与野3党交渉団体が30日、8月の臨時国会最後の本会議で処理することにした規制緩和法案に対する拙速審査の憂慮が提起されている。 特に、特定地域を「規制フリーゾーン」や「規制特区」に選定して規制を適用しない内容の改正案は、既存の法律と衝突する点が多く深い論議が必要だという指摘が出ている。

 23日の複数の与野党議員によれば、国会の産業通商資源中小ベンチャー企業委員会は近いうちに会議を開き、共に民主党と自由韓国党の所属議員がそれぞれ発議した「地域特化発展特区に対する規制特例法」(地域特区法)と企画財政委員会で2年間論議した「地域戦略産業育成のための規制フリーゾーンの指定と運営に関する特別法」(規制フリーゾーン法)等を合わせて審査する計画だ。 問題はこれらの法律が既存の法律と衝突する地点が多く、考慮すべき要素が多いにもかかわらず、法案通過を急いでいるという点だ。

 まず自由韓国党の規制フリーゾーン法が可決されれば、「規制フリーゾーン」では既存の規制は効力を失う。 例えば、 規制フリーゾーン地域ならば学校があってもホテルやモーテルを建てることができる。 学校周辺での観光宿泊施設建設を防いでいる現行観光振興法とぶつかる。 また、特定個人の確認はできない形態の「非識別情報」を同意なしで使うことができる。 これは現行の個人情報保護法と衝突する。 白頭大幹など山林地域も規制フリーゾーンに指定されればケーブルカー、スキー場など観光施設を造ることができる。 規制フリーゾーン法は2016年5月に発議された後、23回会議を開いたが与野党間の意見の相違を狭めることができず、国会に係留されてきた。 その上、企画財政委は規制フリーゾーン法が他の法と衝突する問題を解消するために同年6月、法制司法委員会、環境労働委員会など11の常任委員会に意見を要請したが、いまだに返答をもらえないでいる。

 キム・ギョンス慶南道知事が民主党議員だった3月に発議した地域特区法も「国民の生命・安全・環境を阻害する場合にはこれを制限する」という条件は付けたものの、地域特区で規制フリーゾーン法と同じく既存の法律に束縛されない。 食品衛生法特例を認められれば製造食品の表示基準や食堂営業時間などの制限を受けない。 これに対してチョ・ヒョジョン国会立法調査官は「特区以外の営業者と公平性の問題が生じ、公正取り引きに支障を招く可能性がある」と憂慮も示した。 地域特区法は国会常任委で一度も論議されたことがない。 また 規制フリーゾーン法のように他の常任委に意見を求めたが、回答をもらえないでいる。 ここにチュ・ギョンホ自由韓国党議員は、企画財政委に係留中の規制フリーゾーン法と同じような内容の地域特区法を16日に発議し、チョン・ソンホ民主党議員は20日、首都圏内駐韓米軍供与地域なども規制特例を受けられるようにする地域特区法を発議した。

 これらの法案は17日ムン・ヒサン国会議長と与野3党の院内代表が「30日の処理」に合意することにより加速されることになった。 しかし、もう7日しか残っておらず、十分な論議なしで規制緩和がなされる状況である。 ユン・ソハ正義党院内代表はこの日国会で記者会見を開いて「規制フリーゾーン法により国民が大企業の試製品の生体実験対象に転落する可能性があると言っていた民主党が積極的に乗り出したのは無責任だ」とし、「規制改悪法の8月臨時国会処理中断を要求する」と明らかにした。

イ・ジョンフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/859031.html韓国語原文入力:2018-08-24 05:00
訳A.K

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