猛暑の威勢は相変わらずだった。 立秋(7日)にもかかわらず昼の最高気温35度(ソウル基準)の蒸し暑さが続いた。 全羅北道全州(チョンジュ)市役所前の高さ25メートルの照明塔には、この日で338日目の高空立て籠もり中である「全州タクシー」所属のタクシー運転手キム・ジェジュ氏(56)がいる。 民主労総全国公共運輸労組タクシー支部全羅北道支会長であるキム氏は、法人タクシー月給制(運送収入金全額管理制)の施行を要求して昨年9月4日以来ここに留まっている。
ソウル木洞(モクトン)の熱併合発電所の高さ75メートルの煙突にも高空立て籠もり者がいる。ファインテク(旧スターケミカル)の労働者ホン・ギタク氏(45)とパク・ジュノ氏(45)だ。彼らは昨年11月12日、ファインテクの親会社スターフレックスを相手に、1年前労組と約束した組合員5人の雇用継承と労働組合および団体協約保障などを要求して煙突に上がった。 この日で269日目だ。
猛暑は地上より高空をさらに熱した。 全州の照明塔が42度、ソウル木洞の煙突が45度(6日基準)を記録した。 同じ時間、地上の気温はそれぞれ33.8度、33.6度であった。 高空立て籠もり労働者の健康が危うくならざるを得ない。 公共運輸労組タクシー支部と金属労組ファインテク支会などが7日午前、大統領府の噴水台前で記者会見を行ない、高空立て籠もりの懸案を早く解決するよう政府に要請したのもそのためだ。
3月から3回にわたって全州のキム・ジェジュ氏の状態を診察したキルボッ漢方医師会のオ・チュンサン院長は、「キム氏が1年近く狭い空間で充分に動くことができない生活をしていて、身体機能が低下し慢性的な病気に苦しめられている」と伝えた。 先月20日にソウル木洞の煙突に実際に上がった人道主義実践医師協議会所属の医師ホン・ジョンウォン氏は「アスファルトの輻射熱のせいで煙突の上の温度は50度まで上がる。立て籠もり者の胃腸障害がひどくて冷たい水を飲むことも難しい状況だ」と話した。
非正規職労働者の憩いの場「クルチャム」のキム・ソヨン運営委員は「先日、屋塔房(屋上に設けられた部屋)生活を始めたソウル市のパク・ウォンスン支長に文在寅(ムン・ジェイン)大統領が扇風機を送ったそうだ。 政府は屋塔房よりもっと劣悪な環境で生活している高空立て籠もり労働者にも関心を持ち、立て籠もりの懸案を解決するようにすべきだ」と強調した。