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シンガポールで遭遇した南北外相、公式会談は実現ならず

登録:2018-08-04 06:16 修正:2018-08-04 07:14
晩餐会場で遭遇「南北、朝米首脳会談後の状況について意見交換」 
カン・ギョンファ外交長官がリ・ヨンホ外務相に先に近づき対話 
南側「外交長官会談開こう」、北側「会談応じられる立場ではない」 
今月3日午後、シンガポールのエキスポコンベンションセンターで行われたASEAN地域フォーラム(ARF)の「ガラ晩餐」でカン・ギョンファ外交部長官(右)が北朝鮮のリ・ヨンホ外務相と会話を交わしている=外交部提供//ハンギョレ新聞社

 3日、第24回ASEAN地域安保フォーラム(ARF、以下フォーラム)で、カン・ギョンファ外交部長官が北朝鮮のリ・ヨンホ外務相に会い、南北懸案などについて対話したが、公式会談は実現しなかった。

 同日、外交部当局者は「晩餐会場で、カン長官とリ外務相が自然に遭遇し、南北関係と朝米首脳会談後の様々な状況について率直な意見を交換した」と話した。同当局者は「対話中に、韓国側が別途の外相間の協議の必要性を打診したが、北朝鮮側は外相会談に応じられる立場にないという反応を示した」と伝えた。

 カン長官は、フォーラム「ガラ晩餐」でリ外相に遭遇し、和気あいあいとした表情で会話を交わした。外交部は、カン長官がリ外務相に先に近づいたと伝えた。リ外務相が正式会談の提案に応じなかったのは、最近、北朝鮮が南北関係の進展速度が遅いと不満を示していることと関連があるものと見られている。

 一方、この日カン長官と会談した中国の王毅外交部長は、前日に続き「終戦宣言の肯定的役割」について言及した。昨年、同フォーラムでの二国間会談当時、両外相が“舌戦”を繰り広げたTHAAD(高高度防衛ミサイル)問題は、今回も議題にあがった。ただし、昨年末に両国が関係改善に合意しており、発言の“レベル”は異なったものと見られる。王部長はTHAADが中国の戦略的利害関係に合致しないという基本立場に言及し、「問題が完全に解決できるよう努力してほしい」と要請したという。これに対しカン長官は「両国の交流協力が正常化するよう、中国側がさらに積極的に努力してほしい」と強調したという。中国が「経済報復」を完全に解除していない問題を、遠回しに指摘したわけだ。カン長官はさらに、「THAAD問題は北朝鮮核問題の解決と共に、自然に解決できる」と説明した。

 王部長は終戦宣言については「昨日、韓国記者の質問に対して説明した」としたうえで、「公開的に中国の立場を明らかにしたもの」だと明らかにした。彼は前日の記者会見で「各当事国、特に南北双方が終戦に対する立場を表明したのは肯定的」だと述べた。王部長は、カン長官との会談でも「(終戦宣言は)一種の政治的宣言であるため、非核化の牽引に肯定的かつ有用な役割」を果たすと強調した。

シンガポール/キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/856196.html韓国語原文入力:2018-08-04 00:12
訳H.J

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