北朝鮮のリ・ヨンホ外相がASEAN地域フォーラム(ARF、以下フォーラム)外相会議に出席するため、3日未明(現地時間)、シンガポールに到着する予定であることが分かった。キム・チャンミン北朝鮮外務省国際機構局長は1日、シンガポールに到着した。フォーラムをきっかけに南北、朝米、朝日の外相会談の実現が最大の関心事となった。韓米日共に、今回のフォーラム期間中、北朝鮮との二国間協議を通じて、終戦宣言問題など4・27板門店(パンムンジョム)宣言履行の協議(韓国)、非核化の後続交渉など6・12シンガポール共同声明の履行に向けた動力づくり(米国)、「拉致問題」の解決策の模索(日本)の転機を図っているからだ。
今年で25回目を迎えたASEAN地域フォーラムは、北朝鮮が唯一、正式な加盟国として出席する多国間安保協議体だ。北朝鮮が加盟した2000年以来、南北を含めた米中日ロなど北東アジアの関係各国の対話の場として、この多国間会議体が活用されてきたのもそのためだ。実際、ペク・ナムスン外相とマデレーン・オルブライト国務長官の史上初の朝米外相会談が、2000年7月タイ・バンコクで開かれた第9回フォーラムをきっかけに実現した。
今回も米国は3~4日に開かれるフォーラムで、マイク・ポンペオ国務長官とリ・ヨンホ外務相の会談が行われる可能性を残している。ヘザー・ナウアート米国務省報道官は31日(現地時間)の定例記者会見で、朝米会談の可能性について「北朝鮮も今回の会議に出席する予定」だとしたうえで、「何らかの接触が起こる可能性も排除できない」と述べた。ただし、彼女は「計画された会談の日程はない」と付け加えた。「ポンペオ-リ・ヨンホ」の会談が実現すれば、既存の「ポンペオ-キム・ヨンチョル(統一戦線部長)」ライン以外に朝米外相間のチャンネルが構築される意味もある。
最近、米国のマスコミの「北朝鮮が核物質に続き、新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)を製造中という情況を捉えた」という報道で、北朝鮮の遺骨送還と東倉里(トンチャンリ)西海衛星発射場の部分解体などの友好的行動が作り出した肯定的な雰囲気が弱体化している。実際、同日、国務省高官は「今回の会議をすべての国に国連安全保障理事会(安保理)の対北朝鮮制裁決議を固守する意味を喚起する機会にしたい」と強調した。米国は北朝鮮を圧迫する一方、高官級対話の可能性を残すことで、非核化交渉の突破口を模索し続けるものと見られる。
シンガポールで、南北外相会談が開かれるかどうかも関心事だ。カン・ギョンファ外交部長官は先月31日夜、シンガポールのチャンギ国際空港に到着した直後、リ外相との会談の日程が決まったかという記者団の質問に、「まだ決まっていない」と答えた。