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昨年9月、ロシアのナホトカ港に石炭が積まれている。ナホトカ港はホルムスク港とともに北朝鮮産石炭の積み換えに利用されてところと指摘された/ロイター

　北朝鮮産と推定される石炭9千トンが昨年10月、ロシアを経て国内に搬入され、政府が調査中であることが17日に確認された。北朝鮮産の石炭は、国連安全保障理事会が昨年8月の対北朝鮮制裁(2371号)措置で輸出入を禁止した品目だ。

　外交部当局者は17日、記者団に「国連(対北朝鮮)制裁委員会パネルでの様々な情報上、北朝鮮産石炭がロシアを経由して韓国に入ってきたと見ている」とし、「政府が確認作業を行っている」と話した。これに先立ち、国連安全保障理事会対北朝鮮制裁委員会傘下の専門家パネルは、今年4月の年例報告書で、ロシアのホルムスク港で北朝鮮産石炭を載せたパナマ船籍の「スカイエンジェル」号とシエラレオネ船籍の「リッチグローリー」号がそれぞれ昨年10月2日と11日に、仁川(インチョン)と浦項（ポハン）に入港したと明らかにした。報告書によると、昨年7～9月、6回にわたって北朝鮮の元山(ウォンサン)港と清津（チョンジン）港から石炭を積んだ船がロシアのホルムスク港に移動し、石炭を荷役した。そして同地域から、リッチグローリー号に載積されてきた石炭(5000トン)は1トン当たり65ドルで計算され、いずれも32万5千ドル分が持ち込まれた。報告書には仁川に入ってきた石炭物量は明示されなかったが、外交部当局者は「4000トン程度」が搬入されたと伝えた。

国連安保理対北朝鮮制裁委員会傘下の専門家パネルが最近公開した修正報告書の一部。韓国の仁川(21番項目)と浦項(23)を北朝鮮産石炭の積み換え地として新しく指摘した＝VOA提供//ハンギョレ新聞社

　同当局者は「二隻とも(北朝鮮産の石炭を積んでいるものと推定されるという)情報が入手される前に、輸入申告および申告受付が完了しており、船の到着と同時に(石炭が)荷役されたという」と話した。昨年10月の入港と同時に二隻に掲載された9000トンの北朝鮮産と推定される石炭が適法な手続きを踏んで搬入され、流通されたということだ。輸入申告書には石炭がロシア産と記載されていた。同当局者は石炭がロシアを経て、ロシア産と偽られた可能性について、「その可能性は十分ある」としながらも、「結果的に北朝鮮産石炭が韓国に持ち込まれたかどうかは、調査結果を待たなければならない」と話した。

　政府は昨年10月、当該船舶に対する調査を開始し、現在は韓国の輸入会社に対する調査を進めている。外交部当局者は「関税庁で関税法によって不正収益の疑いで調査を進めている」と説明した。同社が石炭が北朝鮮産ということを認知していたか否かはまだ確認されていない。

国連安保理対北朝鮮制裁委員会傘下の専門家パネルが公開した船積書類。ロシアのホルムスク港を出発した北朝鮮産石炭の目的地が韓国浦項と明示されている。専門家パネルは最近発表した報告書修正版で浦項を「最終目的地」ではなく「積み換え地」に改めた=VOA提供//ハンギョレ新聞社

　北朝鮮産石炭の輸出入を禁止した国連安保理決議第2371号は「北朝鮮は自国の領土からまたは自国民によって、または自国の船舶や航空機を使用して石炭、鉄、鉄鉱石を直接・間接的に供給、販売または移転してはならない」と規定している。また、「すべての国が北朝鮮を原産地としているか否かにかかわらず、自国民によってまたは自国籍の船舶や航空機を使用し、北朝鮮から当該物質を調達することを禁止するよう決定」するとも定めている。韓国の独自処置としては、2010年の天安(チョンアン)艦事件後、南北間の交易を禁止した5・24措置がある。

　北朝鮮産石炭が韓国に搬入されたのが最終確認されれば、国連安保理決議違反と言える。ただし、この場合でも、政府が決議を違反したわけではないため、責任の所在を問われるような事案ではない。国連安保理理事国が必要と判断すれば、北朝鮮産石炭を輸入した韓国の企業を制裁対象にすることもあり得るが、中国やロシアなどの安保理理事国15カ国の合意が必要であるため、容易ではない見通しだ。北朝鮮産の疑いのある石炭の国内搬入と関連し、ノ・ギュドク外交部報道官は同日の定例会見で「政府は、国連安保理の北朝鮮制裁決議が忠実に履行されるよう、対北朝鮮制裁委員会など国際社会との緊密な協調のもと、必要な外交的努力を傾けている」と明らかにした。