(1)人的刷新は成功するか
「重鎮引退」叫んだチョン・ジョンソプは親朴系の核心
清算の対象者が人的刷新を要求する奇妙な現象
(2)リーダーシップの再構築はいかに
非対委「救援投手」迎え入れる可能性
キム・ビョンジュンなど名前挙がり…受諾するかは不透明
(3)「新しい保守」に生まれ変われるか
民生政党への転換を予告したが
反共冷戦、安保観はそのまま
6・13地方選挙の惨敗で“廃墟”となった自由韓国党が“再建”を図っている。15日には「私たちが間違っていました」という横断幕を掲げて国民の前にひざまずき、党の刷新を約束した。だが、「洪準杓(ホン・ジュンピョ)体制の退陣」という単なる指導部交代程度では、崩れ落ちた国民の信頼をたやすく回復することはできないという指摘が多い。強力な人的刷新と新しい保守像の確立などが自由韓国党の課題として残った。
■失敗した人事刷新、今回は成功するか
党の内外では、自由韓国党の当面の課題として「親朴(槿恵)」系などの人的清算を挙げる。現職大統領が弾劾されるという憲政史上初の事件を迎えた状況でも、自由韓国党は党名だけをセヌリ党から自由韓国党に変えただけで、責任を問うことには失敗した。弾劾後、親朴系の核心であるソ・チョンウォン議員は、当時自分の離党を要求するイン・ミョンジン非常対策委員長を「離党の強要」で検察に告発するなど、強く抵抗した。洪準杓前代表が16日、自分のフェイスブックに「最後の暴言」として、「最も悔やまれるのは、非良心的で派閥の利益を優先する党内の一部の国会議員たちを清算できなかったこと」と吐露したのも、このような脈絡だ。
自由韓国党の中では、むしろ清算の対象と指摘される人物らが人的刷新を要求する奇妙な現象が起っている。15日にキム・スンレ、キム・ソンテ(比例)、ソン・イルジョン、イ・ウングォンなど新人議員らとともに「重鎮議員の政界引退」を要求したチョン・ジョンソプ議員は、2016年の総選挙当時、「真朴(真の親朴)」として公認を受けた親朴の核心人物に挙げられる。朴槿恵(パク・クネ)政府で行政自治部長官を務めた彼は、当時「朴槿恵政府の成功のために行動を共にすることで意見をまとめた」という「真朴証拠写真」をあげ、話題を生みもした。チョン・ヨオク元ハンナラ党議員は彼を狙って「洪準杓代表の暴言に匹敵する自由韓国党壊滅の真の責任者たち」とし、「親朴系の新人から親朴系の重鎮まで抱きかかえて一緒に消えてほしい」と皮肉った。
■新しいリーダーシップは立てられるか
自由韓国党は15日、非常議員総会で早期全党大会を開く代わりに、革新非常対策委員会を構成することで意見をまとめた。党指導部を選ぶことよりも党の体質を根本から変えることがより至急だという判断からだ。自由韓国党は2016年12月、朴槿恵前大統領弾劾以降、イン・ミョンジン牧師を非常対策委員長として迎え入れ刷新作業を進めたが、ソ・チョンウォン、チェ・ギョンファン議員など親朴系の主要人物らの強い反発にぶつかり、革新に失敗したという評価を受けた。
今回も外部の人物が「救援投手」として迎え入れられる可能性が高い。党内では、非常対策委員長としてキム・ビョンジュン国民大学教授などの名前が挙がっているとされているが、本人が受諾するかは未知数だ。一部ではファン・ギョアン元首相の迎え入れ説も出ているが、「再び親朴党」を自ら認める形となるため、実現可能性は低いとみられる。外部の人物が党に“メス”を入れるのに対する反感もある。
次期党代表としては、イ・ワング元首相やチョン・ウテク、チョン・ジンソク、ナ・ギョンウォン議員らが出馬を考慮しているという。党の一部では21代総選挙不出馬を宣言したキム・ムソン議員が党代表への挑戦に乗り出すだろうという見方も出ている。「保守の再建のために献身したい」として不出馬を宣言した彼が、一種の「保守ビッグテント」を広げた後、現在正しい未来党に属しているセヌリ党出身議員たちを迎え入れるなど新たな場づくりに乗り出すという観測だ。
■新しい保守像を作れるか
自由韓国党が親朴の人物らを一部追い出し、指導部を単純交代することを超え、「新しい保守勢力」に生まれ変わらなければならないという助言も党内外で提起されている。自由韓国党が今回の地方選挙で“壊滅”レベルの惨敗を喫したのは反共・冷戦主義に慣性的に頼り、朝鮮半島の平和に対する国民の熱望に正面から逆らったためだという指摘だ。
キム・ソンテ代表権限代行は15日の議員総会で「今後、凄絶な真の心で党の刷新と変化、革新を率いて『経済中心政党』に生まれ変わる」と明らかにしたが、安保観に対する変化は言及しなかった。それだけ党の中でも論争的なテーマだ。ただ、同日の議員総会では「国民が考える安保観がすでに変わっているのにこれを読み取れなかった」などの自省の声があがったという。ユン・ピョンジュン韓信大学教授は「自由韓国党も朝鮮半島が平和体制に変わりゆく時代的流れを認め、平和志向的な自分なりのプログラムを持たなければならない」と指摘した。このため、党内では激しい討論とこれを引き出すことができるリーダーシップが切実だという指摘が出ている。人的刷新も単なる「親朴の清算」を超え、極右・冷戦勢力との決別を宣言しなければならないという話もある。チェ・チャンリョル龍仁大学教授は「今回の選挙結果は過去の冷戦・反共保守から脱皮せよという国民の命令」だとし、「新しい党を作るレベルの変化を成し遂げられなければ、2020年の総選挙もまた今回の地方選挙と大きく変わらない可能性もある」と話した。