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シム・サンジョン議員が最低賃金で熱弁「労働者のポケットばかり漁る国会」

登録:2018-05-30 23:25 修正:2018-05-31 08:31
国会「最低賃金法改正案反対討論会」での演説が話題に 
「最低賃金は上げるために作った制度、それが憲法の精神 
大々的引き上げを広報しておきながら“与えてから奪い取る改悪案”否決を」
シム・サンジョン正義党議員=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 「金持ちはますます金持ちになり、貧しい人はますます貧しくなっているのに、この大韓民国の国会が貧しい労働者のポケットばかり漁っていることが許されるのでしょうか?私はそうではないと思います」

 シム・サンジョン正義党議員が28日、国会で開かれた最低賃金法改正案本会議議決前に振るった熱弁の動画がネチズンの間で遅れて話題になっている。「国会本会議場を沈黙させたシム・サンジョンの最低賃金の獅子吼(大演説)」というタイトルの2分30秒の動画は、シム議員のフェイスブックとユーチューブを通じて公開された。該当する映像は30日午後基準でフェイスブックで2万7000件共有され、照会数は13万回を記録した。

 動画はシム議員が同僚議員に“最低賃金改正案処理を中断して否決させてほしい”と強く訴えて始まる。

 シム議員は「9年待った末にろうそくを掲げて政権を変えた。それまで物価上昇率と比較すれば大きく不足した最低賃金引上げ率に(国民が)あえいでいたが、ようやく10年ぶりに二桁に(最低賃金を)引き上げた」として「(最低賃金の)引上げ率が適用されてからまだ5カ月しか経っていない。史上最高に最低賃金を引き上げたと(政府と与党が)どれほど大々的に広報したか」と反問した。そして「(最低賃金引き上げを)与えてから奪い取る改悪案をこのように押しつけるとは、とうてい納得できない」と批判した。

 シム議員はまた「(最低賃金改正案の可決は)非正規職労働者、若者労働者のかすかな希望を裏切るものだ。共に民主党と自由韓国党は『低賃金労働者のためだ』と言うがそれは事実でない」とし「過去に整理解雇法を導入した時も、解雇を減らすためのものだと言った。非正規職法を導入する時も非正規職を減らすためだと言った」と指摘した。

 シム議員はさらに「最低賃金は上げるために作った制度だ。国家が強制的に上げろとして作った制度がまさに最低賃金であり、それが憲法の精神だ。それでこそ最小限の人間らしい暮らしを維持できるからだ」として「最小限の消費余力を持って、持続的な成長を保証できるということがこれまで政府・与党が主張してきた“所得主導経済”だ」と説明した。

 最後にシム議員は「国会が低賃金労働者を冷遇してはならない。貧しい労働者のための民主主義が生きていることを国会が見せる一日にしなければならない」と強調した。

 だが、シム議員の訴えを裏切り、国会は同日午後に本会議を開き、毎月1回以上支給される定期賞与金と食費補助・交通費・宿泊費などの福利厚生費を最低賃金に新たに算入する内容の「最低賃金法改正案」を賛成160、反対24、棄権14票で可決した。これに伴い、来年1月から最低賃金の25%(今年基準で月39万3千ウォン)を超える定期賞与金と最低賃金の7%(月11万ウォン)を超える福利厚生費まで最低賃金算入範囲に含まれる。この比率は毎年次第に縮小し、2024年には定期賞与金と福利厚生費の全体が最低賃金に入ることになる。

パク・スジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/846958.html韓国語原文入力:2018-05-30 17:50
訳J.S

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