日本軍慰安婦の存在を日本で初めて提起した植村隆元朝日新聞記者が、今年「キム・ヨングン民族教育賞」受賞者に選ばれた。
キム・ヨングン先生記念事業会は13日、「日本軍従軍慰安婦の真実を知らせ、これに伴う弾圧に屈せず立ち向かっている植村隆記者に賞を与えることにした」と発表した。受賞理由は「日帝強占期(日本の植民地時代)に2回、1980年5・18(光州民主抗争)の際に1回投獄され、情熱的に啓蒙運動を繰り広げたキム・ヨングン先生(1917~85)の精神と、知識人であり教育者として責務を尽くそうと努めてきた植村記者の行動が通じ合っている」と説明した。
授賞式は15日午前11時、光州市治坪洞(チピョンドン)の光州学生文化会館にあるキム・ヨングン先生の胸像前で行われる。
植村氏は朝日新聞の社会部記者として働いていた1991年、日本で初めて、日本軍従軍慰安婦の存在を記事化した。5・18をはじめ韓国に関心を持っていた彼は、1990年から女性団体が提起した慰安婦被害に注目した。1991年には1941年に強制的に日本軍に連行された事実を韓国では初めて公開証言した金学順(キム・ハクスン)さんを取材し、「思い出すと今も涙 元朝鮮人従軍慰安婦 戦後半世紀重い口を開く」という記事を書いた。
その後、日本の右翼の標的となった彼は暴力や脅迫、家族の安全まで危険にさらされながらも、所信を曲げず、著書『私は捏造記者ではない』(原題『真実 私は「捏造記者」ではない』、プルン歴史出版)を通じて真実を知らせた。この過程で日本神戸松蔭女子学院の大学教授として採用されたにもかかわらず、赴任できず、北海道の北星学園大学の大学講師を務めた際にも嫌がらせを受けるなど、試練を負わなければならなかった。しかし、彼は記事に対する責任感に基づき、極右メディアに訴訟などで対抗しながら、教育を通じて次の世代に真実を伝るため努力してきた。彼の著書は2016年10月、ハンギョレのキル・ユンヒョン記者の翻訳で韓国版が出版された。