南北首脳が東海(トンヘ)線および京義(キョンウィ)線鉄道と道路を連結することに合意した。ここ10年間にわたり中断された南北鉄道連結事業が、再び急流に乗ると見られ、南北経済協力の糸口が見つかるだろうという見方が出ている。
共同宣言文によれば、「民族経済の均衡的発展と共同繁栄を成し遂げるために、10・4宣言で合意した事業を積極的に推進し、一次的に東海線および京義線鉄道と道路を連結し、現代化して活用するための実践的対策を取っていくこととした」との内容が含まれた。
京義線はソウルと北朝鮮の新義州(シンウィジュ)を結ぶ鉄道路線で、東海線は釜山から北朝鮮の安辺(アンビョン)を連結する路線だ。京義線の場合、線路の老朽化によって列車がスピードを出せず、東海線は江陵(カンヌン)~猪津(チェジン)区間が途切れているため南北連結が難しい状態だ。ソン・ミョンス国土交通部鉄道局長は「東海線は連結が切れた江陵~猪津区間が南側にあるので、国連制裁に関係なく推進できるが、京義線現代化については今後さらに議論が進んでこそ輪郭が明らかになるだろう」と説明した。
ペク・スングン国土部道路局長は「道路連結については、文山(ムンサン)~開城(ケソン)高速道路が最初の議論対象になりうる」と説明した。文山~開城高速道路の建設は2015年にも推進されたが、2016年1月の北朝鮮による4回目の核実験で南北関係が梗塞し中断された。この道路は、南側の水原(スウォン)~文山(ムンサン)高速道路(2020年完工予定)、北側の開城~平壌(ピョンヤン)高速道路と連結され、南北を結ぶ核心道路になりうる。韓国鉄道公社(コレイル)と韓国道路公社も足早に動いている。コレイルは、すでに先月「海外南北鉄道事業団」を新設し、鉄道連結のための実務作業を進めており、道路工事も今月初め「南北道路連結タスクフォース(TF)」を新設して準備作業を始めた。
米国および国連対北朝鮮決議案を考慮して、経済協力はこの日の会談の議題として含まれなかったが、共同宣言にこうした内容が盛り込まれたのは南北経済協力再開のために米国などとの水面下での交渉が相当部分進展したためと解釈される。これに先立って2000年の6・15共同宣言と2007年の10・4共同宣言の成果として、京義線、文山~開城区間が連結され、2007年には南側から開城工業団地までの貨物輸送がなされた。東海線の江陵~安辺区間の連結も推進された。しかし、2008年に李明博(イ・ミョンバク)政府がスタートした後、南北関係が梗塞し1年余りで中断された。
特に京義線・東海線は、文大統領が朝鮮半島新経済地図構想で明らかにした「Hライン経済ベルト」を結ぶ幹線交通網でもある。西側の京義線は西海岸産業・物流・交通ベルトを連結し、東側の東海線は東海圏エネルギー・資源ベルトを連結する。龍山(ヨンサン)から元山(ウォンサン)を結ぶ京元(キョンウォン)線は、今回の共同宣言で言及されなかったが、東西を横断する非武装地帯(DMZ)の環境・観光ベルトを連結できる路線と言える。