非武装地帯の平和的利用
非軍事的措置として平和公園を設置
山火事の共同鎮火作業など提案する見込み
軍事的に休戦ラインの警戒所の撤退など
「DMZ非武装化」まで進めることを目標に
西海北方限界線の平和復元
2007年の南北首脳会談当時合意した
共同漁労区域・平和水域の復元も課題
今回の会談で実質的に協議される可能性
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は27日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長との首脳会談で、非武装地帯(DMZ)の平和的利用に向けたモデル事業を提案する方針であることが、25日に確認された。文大統領は今回の会談の3大議題の一つである「朝鮮半島の恒久的平和定着」と関連し、金委員長と「非武装地帯の（実質的）非武装化」をめぐる原則的合意を試みる計画だが、政治・軍事的負担が比較的少ない「非武装地帯の平和的利用モデル事業」が、その第一歩になるものと見られる。
政府は北朝鮮に提案するモデル事業として、朴槿恵（パク・クネ）政権時代に意欲的に推進された「非武装地帯における世界平和公園」設置プロジェクトや南北軍当局による非武装地帯での山火事の共同鎮火作業など、さまざまな事業を検討しているという。前者は統一部を中心に政府レベルですでに多くの政策検討が行われただけでなく、文大統領が繰り返し強調してきた超党的な首脳会談の準備・進行という名分にも合致する。後者は、鋭く向き合う軍事対峙地域の非武装地帯で南北軍当局が協力するという点で象徴性が強く、現実的な必要性も高い。実際の国防部当局者は「非武装地帯では火事が起きてもヘリを飛ばせられず、鎮火に困難が多い」とし、「非武装地帯での南北共同事業と言えば、真っ先に思い浮かぶのが山火事の鎮火作業」だと話した。陸上の非武装地帯ではないが、2007年の南北首脳会談で合意したものの実践できなかった西海(ソヘ・黄海)北方限界線(NLL)周辺海域での「共同漁労区域・平和水域の設定」(10・4首脳宣言第3項)合意の復元問題も、今回の会談で大きく取り上げられる事案だ。
これに先立ち、南北首脳会談準備委員長のイム・ジョンソク大統領秘書室長は17日の記者会見で、「非武装地帯の実質的非武装化も関心がある部分」だとし、南北の間にこれと関連した水面下の協議が行われていることを示唆した。イム室長が言及した「非武装地帯の（実質的）非武装化」の内容は、大きく分けて軍事的処置と非軍事的措置の二つだ。軍事的処置は、65年間にわたる停戦期間中に重武装地帯化した非武装地帯で、南北いずれも兵力や火器などを撤退させるのが核心の内容だ。ただし、前哨基地(GP)の撤退などの軍事的措置は、南北いずれも内部的に軍と保守勢力の反発や、停戦協定との関係、国連司令部との問題など、解決しなければならない複雑な争点が多く、政治・軍事的に議論を呼ぶ可能性が高い。このような事情のため、今回の会談でどこまで進められるか、予想するのが難しい。
一方、非軍事的処置、すなわち非武装地帯の平和的利用は、軍事的処置に比べて比較的負担が少ない。南北はすでに1990年代はじめの南北高官級会談で「非武装地帯の平和的利用問題を協議・推進する」(南北基本合意書第1章12条)と合意したことがある。積極的に実行に移すことができなかっただけだ。2000年代に入って第1・2回首脳会談をきっかけに、京義線(西海線)・東海(トンヘ)線連結に向けて鉄道・道路が通る軍事境界線を含めた非武装地帯で、西海線は250メートル×4キロメートル、東海線は100メートル×4キロメートルの地域で地雷・兵力・火器をすべて撤去したのが代表的な平和的利用の事例だ。さらに、非武装地帯の北側地域に開城（ケソン）工業団地事業(西)と金剛山(クムガンサン)観光事業(東)を進めて「平和回廊」を作ったのも、広い意味で非武装地帯の平和的利用に当たる。
国防部当局者は「非武装地帯の実質的非武装化と関連し、2000年代の西海・東海線の先例を積極的に参考にする必要がある」と話した。匿名を希望した専門家は「軍事的信頼構築措置は構成要素がとても多く、複雑だ」とし、「今回の会談では両首脳が軍事的信頼構築措置の一環である『非武装地帯の（実質的）非武装化』原則に合意し、まずいくつかのモデル事業を進めることで、(敏感な軍事的措置は時間をかけて)段階的に解決して行く方が現実的だろう」と話した。
訳H.J
