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大統領の不当指示は「脅迫」…12の強要罪がすべて「有罪」

登録:2018-04-09 08:37 修正:2018-04-09 09:47
ミル・K財団の強制拠出など最多の容疑 
「文化芸術界ブラックリスト」で強要罪を初めて認定 
「大統領の要求に応じない場合、不利益を受ける恐怖を与えた」 
法曹界「大統領の言葉はすなわち行動…責任厳しく問う」
朴槿恵前大統領が昨年10月16日午前、ソウル中央地裁を後にしている/聯合ニュース

 朴槿恵(パク・クネ)前大統領の1審判決公判で注目すべき要点の一つは、強要の疑いをすべて有罪と判断した部分だ。裁判所はミル・Kスポーツ財団の強制募金だけでなく、初めて「文化芸術界支援排除リスト(ブラックリスト)」の犯行も強要と認めた。大統領職の重さを強調し、大統領の不当な指示がそのまま憲法の精神を揺るがす結果につながるという点を確認した判決と評価される。

 強要罪は、職権乱用権利行使妨害罪とともに「国政壟断」の被告人たちに最も多く適用された罪名だが、なかなか有罪として認められなかった。強要罪が認められるためには、相手の意思決定を制限するほど恐怖(危惧心)を与えなければならないが、違法な要求だとして具体的な不利益を感じるようにするレべルではなかったというのが多くの「国政壟断」裁判所下した判断だ。職務範囲内で行われた不当な“行為”自体に焦点を合わせる職権乱用罪とも異なる点だ。これに先立ち、金淇春(キム・ギチュン)元大統領秘書室長などのブラックリスト1・2審の裁判部も「意思決定の自由を妨害するほど脅迫しなかった」とし、職権濫用の容疑だけを認めた。

 ソウル中央地裁刑事22部(裁判長キム・セユン)は今月6日、朴前大統領の12の強要の疑い(未遂を含む)に有罪を宣告し、大統領の莫大な権限に注目した。行政府の首班として所属機関に対する指揮監督権と人事権を持った大統領の口から出る要求はすなわち、不当な人事発令、事業の縮小など具体的な不利益まで含むと考えたのだ。これによってブラックリストの作成・実行の指示やノ・テガン元文化体育観光部体育局長および文化体育観光部1級公務員3人に対する辞職要求も「拒否した場合、業務上・身分上不利益をこうむる危険があるという恐怖」を含めたと裁判部は判断した。特に支援排除リストの適用を要求された文体部傘下機関の職員らが「(文体部の指示の)上級機関が大統領府という事実を明確に認知していた」という点を強調した。

 同じ脈絡で、裁判部はミル・Kスポーツ財団の強制募金、チェ・スンシル氏に対する資金支援要求、CJのイ・ミギョン副会長の退陣圧力(強要未遂)など、個別企業関連の犯行も強要罪という結論を出した。大統領が企業活動に及ぼす広範な権限に注目したからだ。許認可や税務調査で“報復”できる大統領の要求は、事実上の脅迫を含むという趣旨だ。このような基準で裁判所は、現代自動車・KT・ハナ銀行にチェ氏の側近に対する特別優遇人事と広告の発注を要求したのは「大統領の職務範囲に含まれない」とし、職権濫用の容疑を無罪と判断したにもかかわらず、強要罪は認めた。

金淇春元大統領秘書室長とチョ・ユンソン元大統領府政務首席(左)が、1月23日の控訴審の判決を終えてそれぞれ拘置所に向かっている/聯合ニュース

 裁判部の今回の判断は、強大な権限がある大統領の「言葉」が持つ重さを改めて確認したものでもある。高裁のある判事は「大統領は秘書室長や首席秘書官などとは違い、誰もブレーキをかけにくい位置にある」とし、「一種の絶対権者である大統領の話はそのまま行動になるという点を強調したもの」だと解釈した。裁判部は「文化芸術支援機関の職員らは大統領府と文化体育観光部からの支援排除という違法・不当な指示を履行する過程で職業的良心に反する業務を苦しんで遂行しなければならなかった」と叱咤もした。

 裁判所が強要罪を認めたといって、無条件に「企業被害者論」に軍配を上げたのではない。裁判部はロッテのKスポーツ財団への70億ウォン(約7億円)の追加支援は職権乱用・強要罪とともに第3者賄賂まで認めた。朴前大統領側が先に金を要求したが、ロッテ側も「免税店の特許権再取得」という不正な請託とともに金を渡したという判断だ。ただ、サムスンの韓国冬季スポーツ英才センターへの16億2800万ウォン(約1億6300万円)の後援は第3者賄賂授受の不正な請託が立証されなかったとして強要罪だけを認め、依然として議論の余地をを残している。

ヒョン・ソウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/839676.html韓国語原文入力:2018-04-08 22:03
訳M.C

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