サムスン乗馬支援だけ賄賂と判断
ロッテ・SKは「第3者賄賂」認定
「不正な請託」の尺度異なり問題
検察・特検の立証にかかる二審
一審裁判所が共犯チェ・スンシル氏と同様に朴槿惠(パク・クネ)前大統領のサムスン関連第3者収賄容疑に無罪を宣告し、控訴審の最大争点は「不正な請託」が存在したかどうかとなる見込みだ。サムスン電子のイ・ジェヨン副会長の不正な請託について、イ副会長の一・二審判決が食い違った状況なので、検察と特検は朴前大統領とチェ氏の二審裁判に死活をかけると見られる。ソウル中央地裁刑事22部(裁判長キム・セユン)は6日、朴前大統領がチェ・スンシル氏と共謀してイ副会長から乗馬支援名目で72億9427万ウォン(約7億3千万円)の賄賂を受け取ったと判断した。しかし、サムスンの韓国冬季スポーツ英才センターの16億2800万ウォン(約1億6300万円)支援、ミル・Kスポーツ財団の204億ウォン(約20億円)の拠出については、経営権承継など不正な請託はなかったと無罪を宣告した。
検察と特検は裁判でサムスンの不正な請託として「包括的懸案としての承継作業」と、中間金融持株会社制度導入▽サムスン物産と第一毛織の合併△合併による新規循環出資の輪解消のためのサムスン物産株式処分最小化▽サムスン生命の金融持株会社転換計画に対する金融委員会の承認など、10項目の“個別懸案”を主張した。しかし裁判部は「イ副会長の安定的経営権承継」という目標性を持つ承継作業はなかったと判断して「被告人が『イ・ジェヨンのサムスングループ系列会社に対する支配力確保のための支配構造改編』という概念を認識しただろうと見る余地はあるが、承継作業が存在するとは見なしがたく、承継作業を認識したと断定することはできない」と判断した。また、個別懸案も「合併などは単独面談当時、既に懸案が解決されて終決していた。面談当時進行中だった個別懸案も、面談でイ副会長が明示的な請託をするとか、被告人が懸案解決を指示したと見なす根拠がない」として、不正な請託ではないと見た。
一方、ロッテグループのシン・ドンビン会長のKスポーツ財団70億ウォン(約7億円)支援とSKのチェ・テウォン会長に対するビデックスポーツなど89億ウォン(約8億9千万円)支援要求は「暗黙的な不正な請託」があったとして第3者収賄と認めた。
ある法曹界関係者は「ロッテは懸案がワールドタワー免税店特許再取得だけなので簡単に認め、サムスンは10個を超える懸案を一つ一つ厳格に検討して不正な請託ではないと見た。不正な請託の適用基準が差別的だ」と批判した。特に裁判部のこのような判断は「サムスン物産・第一毛織合併がイ副会長のサムスン電子支配力強化にプラスになっており、国民年金公団がサムスン合併に賛成した背景に朴前大統領の指示があった」と認めたムン・ヒョンピョ前保健福祉部長官の二審判決とも衝突する。
朴前大統領の控訴審は結局、検察と特検が「不正な請託」の存在を立証できるか否かによって結果が分かれるものと予想される。直接賄賂は「職務に関して」賄賂を受け取れば認められるが、第3者賄賂はそれに加えて「不正な請託」まで存在して初めて有罪となる。
実際、4日の朴前大統領の共犯であるチェ・スンシル氏の控訴審初公判準備期日に、特検と検察は共に不正な請託を主な控訴理由と明らかにした。チャン・ソンウク特検補は「サムスンの英才センターと財団拠出に関連して、合併など個別的懸案と包括懸案として経営権承継という不正な請託があった」としたし、検察も「ロッテやSKは明示的な不正な請託があった」と主張した。これに対しチェ氏の控訴審裁判部であるソウル高裁刑事4部(裁判長キム・ムンソク)は「サムスン・ロッテ・SKの賄賂と関連して、明示的請託と暗黙的請託とを明白に区別して欲しい」と控訴状変更検討を要求した。不正な請託を詳細によく見て判断するという意思をほのめかしたわけだ。朴前大統領は一審でチェ氏とともに裁判を受けたので、控訴審も同じ裁判部が担当することになる可能性が大きい。
最高裁が関連事件について、いつどのように判決をするかも関心事だ。最高裁は不正な請託と関連して一・二審の判決内容が食い違っているイ副会長事件を審理中だが、イ副会長が執行猶予で釈放された状態であるため、朴前大統領とチェ氏の控訴審が終わるまで判断を持ち越して審理を続ける可能性もある。最高裁はまた、国民年金公団関係者に合併賛成を強要した疑い(職権乱用権利行使妨害)などにより二審で2年6カ月を宣告されたムン前保健福祉部長官の審理も5カ月間行っている。