70周年を迎えた済州(チェジュ)4・3犠牲者追悼式が3日午前、済州4・3平和公園で行われる。済州4・3が起こって70年になる今年の4・3追悼式は、これまでの追悼式とは違い意味が大きい。4・3体験者らが10年単位で行う追悼式としてはこれが事実上最後になると見ているためだ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が出席するかどうかも関心事だ。文大統領が出席するならば、2006年の4・3慰霊祭に故盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が出席したのに続き二回目だ。
行政安全部が主催し済州道が主管する今回の追悼式は、式前行事として宗教儀礼と鎮魂の舞、合唱、公演が続く。本行事が始まる午前10時から1分間、4・3犠牲者を追悼する黙祷サイレンが済州島全域に鳴らされる。4・3黙祷サイレンが鳴るのは今年が初めてだ。
本行事では、済州4・3当時代表的な集団虐殺が行われた北村里事件を描いた小説『順伊おばさん』を書いた小説家の玄基栄氏が「4・3 70周年に平和を祈願して」というタイトルの追悼文を朗読する。4・3犠牲者遺族であるイ・スギョンさんは母親を偲ぶ手紙を朗読する。
済州4・3遺族合唱団と出席者は、4・3を偲んだ歌手アン・チファンの「眠らない南道」も初めて合唱する。李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クネ)政府の時はこの歌が「大衆的でない」などさまざまな理由を挙げて合唱できなかった。
今回の追悼式には4・3生存犠牲者約100人と犠牲者遺族など計1万5千人あまりが出席し、1988年に公開的な4・3慰霊祭が開かれて以来、歴代最大規模で行われる。
この日の追悼式には、与野党の各代表をはじめ、国会議員50人以上が参加すると伝えられた。イ・ジェジョン京畿道教育監など他の市・道教育監5人も出席する。
2日午前10時には韓国カトリック教主教会議とカトリック済州教区4・3 70周年特別委員会が、ソウルと済州で同時に教皇庁国務院首相ピエトロ・パロリン枢機卿の名義で送られたローマ教皇フランシスコのメッセージを発表した。パロリン枢機卿が送った書簡で「フランシスコ教皇は4月3日、済州で開かれる済州4・3 70周年追悼式についてよく知っており、この追悼式に集まった方々に暖かい挨拶の言葉を送る。教皇は今回の追悼を機に、老若男女すべての人の心の中に治癒と和解の精神が根ざすことをお祈りする」と、教皇のメッセージを伝えた。
カン・ウイル主教は「4・3について、教宗がこのように関心表明をしてくれたことに驚いたし、嬉しかった。済州4・3を全世界に知らせるきっかけになり、島民たちにも大きな慰めになるのではないかと期待して要請し、その要請が受け入れられて大変うれしい」と、感想を表した。