性売買を取り締まる時、抱え主と買春者のみを処罰する「ノルディック・モデル」を導入しようという国民請願が始まった。性売買の需要を遮断する方が取り締まりの実効性があるという国際的な流れに足並みをそろえようという提案だ。
大統領府の掲示板には先月3日「効果的な性売買根絶のために抱え主と買春者だけを処罰するノルディック・モデルを導入してください」という請願が上がった。この請願には1日で5万8000人余りが参加して法の改正を要求している。請願者は「売春女性たちが処罰が恐くて隠れるために取り締まりが一層難しくなる」として「ノルディック・モデルは現存する制度の中で、性売買根絶に最も効果的」と明らかにした。
ノルディック・モデルとは、社会民主主義に基づいた北欧国家の経済・社会的モデルを意味するが、女性運動団体は性売買自体を禁止して関与者をすべて処罰するのではなく、買春者側だけを処罰して需要を遮断する立法態度をこのように呼ぶ。スウェーデンが1999年に初めて買春者の処罰に集中する性購買行為法(Sex purchase act)を制定し、ノルウェー、フィンランド、北アイルランド、カナダ、フランスも相次いで同様の趣旨の法制度を採択している。スウェーデン政府は、前科者になるリスクが消えた売春女性らが積極的に申告したことにより性売買従事者は50%以上減ったと推算している。
ユン・ドッキョン韓国女性政策研究院研究委員は「性売買の斡旋および需要遮断法・政策方向」という文で「売春女性の脆弱な地位のために、性売買の取り締まり効果が売春女性により大きく現れる傾向がある」として「これは性売買対象者(女性)が性売買行為から抜け出す余地を遮断して、結果的に性売買の取り締まりと規制の効果的な作動を妨げている」と明らかにした。ユン研究委員はさらに「国際社会で進行している『ノルディック・モデル』の採択を真剣に検討する必要がある」と指摘した。