朴正煕(パク・チョンヒ)政権が発動した緊急措置の被害者が、国家の損害賠償責任を認めた判事の懲戒を検討した疑いでヤン・スンテ前最高裁長官(大法院長)を告発した。ヤン最高裁長官の時である2015年3月、最高裁3部(主審クォン・スンイル最高裁判事)は「緊急措置は高度な政治性を帯びた国家行為」として、損害賠償の対象にはならないと判決している。
キム・ジョンチェ尚志大学政治社会学科外来教授など緊急措置の被害者103人は28日午前、ヤン前最高裁長官を職権乱用・権利行使妨害の疑いでソウル中央地検に告発した。被害者たちは「国家賠償責任を認めた所信ある判決を下した裁判官の懲戒を推進したことに驚きを禁じえない」として「最高裁と異なる判決をしたという理由で懲戒を試みたことは、裁判官の独立を正面から侵害する違憲行為」と主張した。ヤン最高裁長官の時に法院行政処は、国家が緊急措置の被害者に損害を賠償せよと判決した判事に対する懲戒を検討したと伝えられた。
これに先立って参与連帯は1月、裁判官を査察した疑い(職権乱用・権利行使妨害)でヤン前最高裁長官らを告発し、投機資本監視センターも同月、ウォン・セフン元国家情報院長の選挙介入事件2審の時、大統領府と不適切な接触をした疑い(偽計公務執行妨害)でヤン前最高裁長官らを告発した。この事件はソウル中央地検公共刑事捜査部に割り当てられた。