最高裁(大法院)公職者倫理委員会(委員長チョン・ヒョスク)が、司法行政権濫用事件を4回審議し、27日に出した結論は、4月の真相調査委の提案と大きく変わらない。国際人権法研究会の学術大会延期・縮小のために判事に不当な指示と干渉をするなど、裁判官としての品位を傷つけたイ・キュジン前量刑委常任委員を懲戒委に回付するようヤン・スンテ最高裁判所長に勧告した。イム・ジョンホン前裁判所行政処次長は、司法行政権濫用の責任、コ・ヨンハン前裁判所行政処長には管理・監督責任をそれぞれ問うた。
しかし、配下の人々にすべての責任を問い、最高裁判所長など高位層の責任は消えたので“尻尾切り”という指摘は当然だ。ブラックリストについては完全に言及を避け、行政処室長の職務・身分上の義務違反もなかったと線を引くなど、裁判官代表会議の要求とも相当な乖離がある。
今やボールはヤン最高裁判所長に移った。当初から倫理委の勧告で今回の事件を決着させることは難しかっただけに、裁判官代表会議の要請を積極的に受け入れなければならない。ブラックリストの追加調査はもちろん、裁判官代表会議の常設化も積極的に検討することを望む。それなくしては裁判所内部の論議収拾も、国民が要求する司法府改革の道にも進むことはできない。
すでに裁判所の内部掲示板では、ヤン最高裁判所長の辞任要求まで出ている。その間「ヤン・スンテ最高裁」が、裁判所内外から不信を買ってきたことに照らしてみれば、それほど驚くことでもない。重く受け止めなければならない。
一部では、裁判官代表会議自体について是非を論じている。特定研究団体に所属する判事の比率が高いとし、その代表性に問題を提起してもいる。しかし、民主的手続きを通じて選抜された以上、そのように見ることは妥当ではない。また、議論の過程が一方的だったとして会議自体を蔑視する主張もあるが、裁判官代表会議がこれに反論し、速記録を公開しても良いとまで明らかにしたので、見守れば良いことだ。掲示板の一部の不適切な表現は、裁判官社会の良識に任せて適切に解決すれば良い。これを口実にせっかくの民主的意見収れん過程自体を蔑視することは飛躍に他ならない。むしろ「判事が内部問題に頬被りせずに討論するということは、組織が健全であることを示す」というある判事の言葉にこそ納得が行く。
ヤン最高裁判所長は、任期がいくらも残っていないが、司法改革の扉を開く心情で関係者が問題解決に乗り出さなければならない。それが裁判所に貢献する最後の責務だ。