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最高裁長官、議長選挙に出馬した批判的判事に対し対応文書作成

登録:2018-01-18 00:48 修正:2018-01-18 08:52
“判事ブラックリスト”疑惑の追加調査
2016年6月、ソウル瑞草洞最高裁判所で開かれた全国裁判所長会議に固い表情で入場するヤン・スンテ当時最高裁長官=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

追加調査委、行政処審議官の文書確保
当該判事の動向分析も作成した模様
文書作成判事「行政処高位関係者の指示」と
事実と確認されれば「職権乱用」の意見も

 “司法部ブラックリスト”疑惑の追加調査委員会が、ヤン・スンテ前最高裁長官時代に裁判所行政処に批判的な判事に対する行政処の具体的対応策が書かれた文書を行政処の共用コンピューターから探し出したという。 “司法部ブラックリスト”疑惑の一角が露わになったもので、早晩予想される追加調査発表時まで疑惑の全貌が明かされるかに関心が集まっている。

 16日法曹界関係者の言葉を総合すれば、司法改革を要求する判事たちの動向を書いた“司法部ブラックリスト”疑惑追加調査委員会は、行政処企画調整室審議官が作成した2016年ソウル中央地裁単独判事会議の議長選挙対策文書を発見したということだ。 2016年のソウル中央地裁単独判事会議議長選挙には、ヤン最高裁長官の政策に批判的なK判事が議長候補に立候補した。 判事会議は裁判所組織法に規定された公式的な司法行政諮問機関である。これに対し、当時の行政処がK判事の動向分析だけではなく“対抗馬”にまで言及した対策文書を作成したわけで、この文書が今回発見されたのだ。 実際2016年のソウル中央地裁単独判事会議議長選挙は候補者が2人の選挙となったが、もう一人の候補であるN判事は周りの人に「行政処の圧迫のために苦労している」と言ったという。 対策文書を作成したT判事は追加調査委で「行政処の高位関係者が(文書作成を)指示した」と供述したと伝えられる。

 当時の選挙についてある判事は「判事会議が活性化されてこそ一線の判事の意見が裁判所の政策に反映され、官僚化も防ぐことができるという共感が広くあって、そのような中でK判事が積極的に立候補した。司法行政関係者はそんなK判事が負担になった可能性はある」と話す。

 裁判所内部では行政処の単独判事会議議長選挙対策文書の作成と実行が事実ならば、ヤン前最高裁長官を含め当時の責任者たちに職権乱用の責任を問うべきだという声が出ている。ある判事は「判事会議は法的機関だ。行政処がその議長選出に介入したならば、判事の権利行使を妨害したと見ることができる」と指摘した。 また別の判事は「司法行政権を利用して選挙で気に食わない判事を排除しようとしたならば、国情院の選挙介入や朴槿惠政府のブラックリスト作成・実行と変わらぬ犯罪行為だ」と批判した。

 これについて追加調査委は「調査を終えるまで調査と関連して一切言及しない」と明らかにし、該当判事たちもハンギョレの取材に応じなかった。

 “司法部ブラックリスト”疑惑は去年2月、行政処審議官に発令されたL判事が量刑委員会のイ・ギュジン当時常任委員から「企画調整室のコンピューターを見れば判事たちを内偵したファイルが出てくるだろうが、驚かないように」と言われたと明らかにし、一波万波で拡散した。 しかし、当時ヤン最高裁長官のときに当該文書が入っているとされるコンピューターを調査もせず「ブラックリストは存在しない」という結論を下すと、判事会議や全国裁判官代表会議を通して追加調査を要求する声が高まった。 これに対しキム・ミョンス最高裁長官は去年11月、追加調査委を設置した。

 追加調査委は行政処の3台の共用コンピューターを使った当事者たちを一カ月余り説得した。しかし彼らがかたくなに拒否すると、去年12月26日から別に保存した共用コンピュータ3台の保存装置を対象に、司法行政関連内容に限定して調査を始めた。 追加調査委は最近2人の行政処審議官とイ・ギュジン前常任委員の調査も終えた。

キム・ミンギョン、ヒョン・ソウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/828065.html?_fr=mt2韓国語原文入力:2018-01-16 20:36
訳A.K

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