hankyoreh

李明博元大統領が受け取ったと疑われるわいろ//ハンギョレ新聞社

　李明博(イ・ミョンバク)元大統領(77)を捜査中の検察が、今週中にムン・ムイル検察総長に捜査経過を報告し、李元大統領の召喚日程を確定する計画だ。ソウル中央地検の捜査チームは、この間の捜査を通じて政経癒着、官職売買、税金横領など大統領の権限を利用した各種のわいろ授受疑惑を明らかにしたと判断し、李元大統領を直接調査する準備を急いでいる。

　4日、ハンギョレの取材結果を総合すれば、捜査チームは大統領当選(2007年12月)以前に李元大統領が受け取ったと見られる不法資金に対しても事前収賄容疑の適用を検討している。現行法上「公務員である者」がその担当する職務に関し請託を受けわいろを授受、要求、約束すれば、贈収賄罪で処罰できる。

李明博元大統領が1月31日午後、ハン・ビョンド大統領府政務首席から2018平昌冬季五輪開・閉会式への招請状を渡され、話を交わしている＝シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

　検察は、代表的事例としてサムスンが代納したと調査された約60億ウォン(6億円)に及ぶダースの米国内訴訟費用にも贈収賄罪を適用する方針だ。検察はこの多額の資金が、李元大統領の大統領候補時期である2007年11月から段階的に渡されたと見ている。特に検察は、当時ダースの実所有主問題が政界の“熱いイシュー”であり、検察の捜査対象であった点に注目している。訴訟費代納事実が明らかになれば、大きな波紋が予想されるにもかかわらず、大胆に金銭を要求したこと自体が李元大統領の“犯行目的や動機”をよく見せる間接証拠だと検察は見ている。ダースが李元大統領の所有であり、それだけに李元大統領にとっては該当資金が絶対に必要だったという証拠になるということだ。さらに検察は、この“闇取引”がサムスン電子のイ・ゴンヒ会長の特別赦免など各種特典を見返りとする“政治権力”と“財閥”の典型的な政経癒着だと判断している。

　検察は、イ・パルソン元ウリ金融持株会社会長(74)が李元大統領側に人事請託、および事業請託名目で渡した22億5千万ウォン(約2.25億円)もすべて時期と関係なく“わいろ”と見ている。キム・ソナム元国会議員が、比例代表前順位公認の見返りに李元大統領に4億ウォン(約4千万円)を渡した疑惑も金銭で官職を売買した“官職売買”犯罪と規定した。

　検察は、李元大統領が国家情報院から上納された対北朝鮮工作資金(特殊活動費)17億5千万ウォン(約1.75億円)もわいろに当たると早くから結論を下した。これに先立って“最側近執事”のキム・ペクチュン(78)元大統領府総務企画官(78)を国家情報院支援金授受容疑で拘束起訴し、李元大統領を“主犯”と名指ししたことがある。法曹界のある関係者は「国家情報院特殊活動費について“慣例”だとする一部の主張とは異なるわいろ疑惑があらわれ、切り込んでいった」と指摘した。

　李元大統領がこうした公共および民間領域を分けずに取り込んだ収賄額は、合計100億ウォン(約10億円)を超えると見られる。ここに李元大統領が実際の所有主であると指摘されたダースで作った“数百億ウォン(数十億円)台の秘密資金”も、李元大統領が直接釈明しなければならない部分だ。検察はこの日、李元大統領の“財産管理人”であるイ・ビョンモ清渓財団事務局長を起訴し、18億ウォン(1.8億円)台の横領疑惑と40億ウォン(4億円)台の背任容疑を適用したと明らかにした。検察はこれらの資金が李元大統領の秘密資金として使われたのではないかを追跡中だ。

　検察は関連捜査がほとんど十分になされたと判断して、3月中旬に李元大統領を召喚することを検討中だ。昨年3月21日、朴槿恵(パク・クネ)前大統領が検察の調査を受けてから1年目にして、再び元大統領が検察のフォトラインに立つことになるわけだ。