李明博(イ・ミョンバク)元大統領の「収賄」時期が、2009年初め、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領を狙った検察捜査とかなり重なることが明らかになった。検察が追っている一部の収賄の疑いはその前後に行われた。李元大統領が、前職大統領の捜査が進められた時期にもカネを受け取る厚顔無恥な二面性を露にしたという批判の声があがっている。
4日、ハンギョレの取材結果、李元大統領が「ダース」の米国内の訴訟と関連し、サムスンから巨額の弁護士選任費用を受け取った時期は、2007年末から2009年初め・半ば頃だという。検察の主要関係者は「問題のカネのかなりの金額は、李元大統領が就任してから1年ほど経った時期に渡されたもの」だと話した。検察は現代自動車も同様のカネを渡したと疑っている。検察は数百万ドルにのぼるカネの性格を「ダースの実質的な所有者」である李元大統領にこれらの企業が渡した「直接賄賂」とみて捜査を進めている。
結論的に、李元大統領は盧元大統領に対する検察捜査の真っ最中に水面下でサムスンなど企業から巨額のカネを受け取ったわけだ。当時、2009年1月の人事で陣容を整えた最高検察庁中央捜査部(イ・インギュ部長、主任検事ウ・ビョンウ)は同年5月23日、盧元大統領が逝去するまで収賄の疑いで捜査を行った。
それだけでなく、李元大統領がイ・パルソン元ウリ金融持株会長から約10回にわたり14億ウォン(約1億4千万円)あまりを受け取ったとされる時期も、2009年から2011年にわたっている。また、李元大統領が「一生の執事」と呼ばれるキム・ペクチュン氏を通じて国家情報院特殊活動費4億ウォン(約4千万円)を受け取った時期も2008年4~5月と2010年7~8月だ。いずれも盧元大統領の捜査直前か直後だ。
収賄の疑いだけではない。李元大統領は2008年の就任直後、盧元大統領が大統領記録物の一部のコピーを烽下村(ボンハマウル)の私邸に持ち帰ったことを無断流出と規定し、問題視した。当時、検察捜査まで行われており、盧元大統領はこれに抗議する公開書簡を李元大統領に送った。しかし、李元大統領自身は退任する際、コピーではなく大統領記録物の原本を大量に持ち出した事実が最近、迎浦ビルに対する検察の家宅捜索で明らかになった。
過去元大統領の捜査に参加したある法曹関係者は「『直接賄賂』に限ってみると、民主化以降、最も腐敗した大統領ではないかと思う」とし、「盧元大統領の捜査前後にも相変わらずカネを受け取ったという点で、厚顔無恥という言葉が上品に聞こえるほど」だと話した。