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「超少子化は晩婚・非婚のせいではなく、生活の質の悪化のため」

登録:2018-03-01 09:40 修正:2018-03-02 17:42
少子化・高齢社会委、第1回フォーラムで 
ユン・ホンシク教授、少子化の原因を診断 
「スウェーデンと初産年齢は同様なのに 
合計出生率が低いのは、生活の質が悪いため 
個別政策ではなく総体的対応を」 
 
少子化委「ワーク・ライフ・バランス策を設け 
労使政委通じて社会的対話を推進」
28日、(右から)キム・サンヒ少子化・高齢社会委員会副委員長、パク・ヌンフ保健福祉部長官、チョン・ヒョンベク女性家族部長官、ムン・ソンヒョン経済社会発展労使政委員会委員長が会い「少子化の克服に向けた社会的大妥協協力会議」を開いた=少子化・高齢社会委員会提供//ハンギョレ新聞社

 「遅く結婚したり、結婚しなかったりするのが問題だといいますが、違います。スウェーデンと韓国の平均初産年齢はそれぞれ31歳、31.5歳とほぼ同じです。一方、合計特殊出生率はスウェーデン1.98人(2013年)、韓国1.25人(2014年)と差が大きいです。韓国の合計特殊出生率が低いのは、この社会が直面した特殊な暮らしの質の問題のためです」

出生児数の推移//ハンギョレ新聞社

 歴代最低値の合計特殊出生率発表が出た28日、大統領直属の少子化・高齢社会委員会が国会図書館で開いた「第1回少子・高齢化フォーラム」で、テーマ発表に立ったユン・ホンシク仁荷大学教授(社会福祉学)はこのように述べた。ユン教授は「過去の出産奨励策を使ったファシズム体制のドイツ・イタリアと異なり、スウェーデン政府は市民が直面した生活の問題を解決する政策を活用してきた。最近の高い出生率はその結果」と説明した。さらに、「一方、韓国は相対的に賃金水準が高く雇用が安定した正社員を中心に社会保障を強化してきたが、これは『持っている人だけより多く持つ』不平等の深刻化と国民全般の生活の質の悪化という結果につながった。韓国の出生率が低い理由がここにある」と指摘した。

 政府は出生率を高めるための政策に多くの財政を注いでいるが、結局のところ唯一の代案は、国民全般の生活の質の改善にあるというのがユン教授の主張だ。彼は「個別政策に一喜一憂するよりは、生活の質に関する総体的改善をどのように達成させるのかに国家の力量を集中しなければならない」とし、そのために「社会サービス分野など不足している公共部門の雇用を増やし、政府が増税に対する具体的計画を明らかにしなければならない」と話した。

合計出生率の推移と30代前半(30~34歳)の出生率の推移//ハンギョレ新聞社

 少子化・高齢社会委員会はこの日のフォーラムに先立ち、キム・サンヒ副委員長とムン・ソンヒョン経済社会発展労使政委員会委員長、パク・ヌンフ保健福祉部長官、チョン・ヒョンベク女性家族部長官などが参加するなか、出産統計および現況を共有し、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)など、少子化の克服に向けた協力案を議論した。

 彼らは低い出生率と関連して「長時間労働によって親が子どもと一緒に過ごせず、女性が全面的に家事やケアを抱える社会文化が、依然としてワーク・ライフ・バランスのための制度や文化が定着できずにいる原因だ」と分析した。そして、「今後労使政委員会の経済主体間の協議を通じて、少子化・高齢化問題を解決するための社会的対話を推進する一方で、少子化・高齢社会委員会で推進しているワーク・ライフ・バランス実行計画の樹立に関連省庁が力を集めて、課題実行も政府の最優先課題として推進する」と意見をまとめた。パク・ヌンフ福祉部長官はこの席で「韓国社会を仕事と家庭の両立が可能な構造に体質改善することが重要だ。企業や労働者、政府の議論を通じて力を集めるための社会的大妥協が必要だ」と話した。

 委員会は3月中の最優先課題に設定した「働きながら子どもを育て幸せな大韓民国」の具体的な実行計画を発表する計画だ。

パク・キヨン記者xeno@hani.co.kr(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/rights/834161.html韓国語原文入力:2018-02-28 20:42
訳M.C(1670字)

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