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少子化対策、女性の人生と選択を尊重する人間中心の政策へ

登録:2017-12-27 08:12 修正:2017-12-27 15:42
2019年から…出産前退職をふせぐため 
休職給与、最初の3カ月後も最大12万円 
2020年、妊娠期間中短縮勤務を可能に 
夫の有給出産休暇は年10日に段階的拡大 
男女雇用平等法などは全ての事業場に適用
文在寅大統領が今月26日午後、大統領府で開かれた少子高齢化社会委員会の懇談会を主宰する前に、委員たちと会話を交わしている=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 26日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領主宰で大統領府にて開かれた第6期少子高齢化社会委員会(以下委員会)の初懇談会は、深刻な少子化の現実を共有しながら、現在の少子・高齢化傾向が大韓民国の根幹を揺るがす人口危機に至るのをどうにか止めなければならないということで意見を集める場となった。文大統領と委員会は特に、歴代政府が汎政府レベルの対策を推進し、200兆ウォン(約20兆円)の予算を投じた少子・高齢化対策を「総体的失敗」と規定し、今は女性たちが働き子どもを育てることができるように、女性の人生に集中する政策的パラダイム転換が急がれることに共感した。

 実際、文大統領と委員らは一様に少子化の深刻性を言及し、これを解決する解決策として「女性のワーク・ライフ・バランス」を力説した。文大統領は今年の出生者数が36万人に止まり、合計出産率が歴代最低水準である1.06人または1.07人になるという最新の統計を初めて公開し、「少子化問題を解決できず、このまま行けば、2031年には総人口が減り、大韓民国の根幹を揺さぶる人口危機状況を迎えるだろう」と警告した。彼は特に「従来の考え方と限界を越えなければならない。(これまで)やってきた通りでは少子・高齢化への対策にならない」として発想の転換を注文し、「女性たちが仕事を続けながら、自身の人生、価値を守りながら結婚し、子どもを産み、子どもを育てることのできる、そのような社会を作ることが少子化の根本的な対策」と繰り返し強調した。従来の「出産奨励」中心の国家主導の政策から、個人、特に女性の人生と選択を尊重する人間中心の政策に変えてこそ、子どもを産んで育てることが負担にならない社会となり、少子化の危機が克服できるということだ。

合計特殊出産率の推移と文在寅政府の少子化政策方向//ハンギョレ新聞社

 懇談会に出席した委員らも「女性が出産ストライキという状況に置かれているが、本当の問題は少子化ではなく、国民生活の質に関する問題」だとして「出産や子育てを人権として尊重し、女性の未来への期待を高められるパラダイムの転換」を力説した。

 委員会はこの日、「未来への希望がある幸せな国民ーまずは人間だ、子どもが未来だ」をビジョンに据え、ワーク・ライフ・バランス▽安定的で平等な女性の働き口▽雇用・住居・教育の3大構造改革▽全ての児童と家族の支援など4大推進方向を提示した。出産率低下の責任を女性だけに問わず、親が子どもとより多くの時間を送れるように労働時間を減らし、父親が積極的に育児に参加して「独り子育て」を減らす対策などを今後論議する予定だと委員会は明らかにした。

 政府は、少子・高齢社会委員会が大統領が委員長を務める多くの委員会の一つではなく、少子化と高齢社会の対応を国政の最優先課題に設定し、これを総括するコントロールタワーの役割をするように位相を強化する構想を明らかにした。このために第6期委員会は委員会の傘下に事務処を別途立ち上げ、民間委員を10人から17人に増やし、女性委員の割合も22%から47%に拡大した。

 この日初懇談会を開いた少子高齢化社会委員会は、少子化問題の深刻性を考慮し、来年第1四半期に「少子化対応ロードマップ」を出すことにした。また、来年第3四半期には第3次少子高齢化社会基本計画(2016~2020年)を全面的に再構造化すると明らかにした。ウン・スミ大統領府女性家族秘書官は「少子化は一つの深刻な問題ではなく、韓国社会のさまざまな問題点が現れている病いの症状」だとし、「(合計特殊)出生率と出生児数そのものを当面の目標として提示する方式ではなく、市民たち、特に女性と若者の人生が変わる人間中心の政策へとパラダイムを転換する」と話した。

キム・ボヒョプ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/825182.html韓国語原文入力:2017-12-26 22:33
訳M.C

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