国家情報院(国情院)が23日、金英哲(キム・ヨンチョル)労働党中央委員会副委員長兼統一戦線部長が「天安艦事件」(2010年)を指示した主犯かどうかについて、「(そのような)推測は可能だが、明確に金英哲が指示したわけではない」と述べたことがわかった。
自由韓国党所属のカン・ソクホ国会情報委員長は同日午前、国会で開かれた情報委緊急懇談会で、キム・サンギュン国情院対北朝鮮担当2次長がこのように答えたと、メディア向けブリーフィングで明らかにした。国情院の同日の答弁は、平昌(ピョンチャン)冬季五輪閉幕式に出席するため25日に訪韓する金英哲副委員長が、2010年に起きた「天安艦沈没の主犯」だと指弾し、「韓国の地を踏めば射殺すべき対象」と反発する自由韓国党の主張とは食い違う説明だ。
キム・サンギュン2次長はまた、「天安艦沈没の背後」と推定された金副委員長が訪韓することについて「(統一戦線部長の)金英哲は北朝鮮で南北関係の最高責任者であり、軍事的緊張の緩和と南北(関係)の進展・非核化を含め、朝鮮半島の多くの関係について実質的に協議できる適任者」だと述べたと、カン委員長は伝えた。さらに、カン委員長は、金副委員長来韓をめぐる南北の事前調整の有無については「『国情院は、(北朝鮮から金副委員長が来るという事実を)通知された』と答えた」と話した。
国情院は今年1月、ソ・フン国情院長が秘密裏に米国を訪問し、北朝鮮の高官らの訪韓などを調整した可能性について「確認されたことがない」と明らかにしており、ソ院長の訪朝の可能性についても「そのようなことはない」と答えたと、カン委員長が伝えた。
同日の情報委は前日、金英哲副委員長来韓のニュースが伝えられた直後、自由韓国党の要請で緊急召集されたが、自由韓国党議員の大半が欠席した。共に民主党も出席しておらず、自由韓国党所属のカン・ソクホ委員長とユン・サンヒョン議員だけが出席した懇談会の形で行われた。