平昌(ピョンチャン)冬季五輪とパラリンピック閉幕まで1カ月が残った時点で、北朝鮮メディアが韓米合同軍事演習や米国の戦略資産の展開を批判する論評を出した。
北朝鮮労働党機関紙の「労働新聞」は19日、「情勢を激化させる戦争狂信者たちの挑発行為」という個人名義の論評で、「国際社会も今年北南関係改善の活路が開かれ、朝鮮半島に平和的環境が整うことを期待している。それが実現するかどうかは、米国が戦争練習を中止するかどうかにかかっているとして、ここに焦点を合わせている」と指摘した。今後の南北関係改善の行方を決める要因が韓米合同軍事演習だと主張すると共に、五輪終了後に再開すると見られる韓米合同軍事演習に対し、反対意思を示したものだ。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領とドナルド・トランプ米大統領は、平昌五輪を控えた1月、毎年2~4月に開かれた「キーリゾルブ演習・トクスリ訓練」を五輪以後に先送りすることで合意した。これによって演習は来月9~18日に開かれるパラリンピックがすべて終わった後の4月に開かれる可能性がある。
同紙は「朝鮮半島情勢が再び悪化する危険が高まっている。早くからそのような兆しが現れている」とし、「多くの戦略資産と膨大な兵力が朝鮮半島とその周辺に押し寄せている。南北関係の改善と緊張緩和のムードが壊れた場合、すべての責任は全面的に米国が負うことになるだろう」と指摘した。同紙は論評で、離散家族再会に向けた赤十字実務協議が行われていた2014年2月5日、米戦略爆撃機B-52が西海(黄海)上で訓練をした事例を挙げた。
「労働新聞」は同論評で、最近報道された米国の対北朝鮮「鼻血戦略」についても言及した。同紙は「(米国が)朝鮮を爆撃する時になったという米高官の発言と、我々の戦略的対象物に制限的な軍事的打撃を加える問題を密かに討議しているという内容を、意図的にマスコミに流した」と指摘し、「これは公開的に五輪ののろしが消えるを待って、“北南関係の雪解け”も終わらせようとするのが彼らの目的であり、冬季五輪競技大会が終わるやいなや『キーリゾルブ』、『トクスリ』合同軍事演習を再開すると脅かすに至った」と主張した。
チョ・ソンニョル国家安保戦略研究院首席研究委員は「最近、ティラーソン(国務長官)やペンス(副大統領)などが朝米対話の可能性取り上げている状況で、朝米対話に向けて(韓米が)軍事演習をしてはいけないという条件を掲げたのではないかと思う」とし、「(パラリンピック閉幕1カ月前の)今から自分の立場を示したものとみられる」と評価した。