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金正恩委員長の破格の戦略…9日に実妹のキム・ヨジョン副部長を派遣

登録:2018-02-08 05:27 修正:2018-02-08 07:38
北朝鮮高官級代表団に電撃的に含まれる 
故金日成主席の直系家族初めて来韓 
文大統領と10日に昼食ともする可能性も
キム・ヨジョン北朝鮮中央党中央委員会第1副部長//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長の実妹のキム・ヨジョン党中央委員会第1副部長が9日、平昌(ピョンチャン)冬季五輪を祝うための高官級代表団として韓国を訪れる。キム副部長は金総書記の唯一の妹であり、キム委員長の直系家族を代表団に加えた破格の決定に注目が集まっている。キム副部長の訪韓は、金委員長が南北関係の改善に向けた積極的な意志を示したものと見られている。

 統一部は7日午後、「北朝鮮が今日午後に送った通知文で、キム・ヨンナム最高人民会議常任委員会委員長を団長とする高官級代表団の名簿を明らかにした」とし、「3人の団員はキム・ヨジョン朝鮮労働党中央委員会第1副部長、チェ・フィ国家体育指導委員会委員長、リ・ソングォン祖国平和統一委員会委員長」だと明らかにした。朝鮮戦争後、金日成(キム・イルソン)一家の直系家族が韓国を訪れるのは今回が初めてだ。

 キム・ウィギョム大統領府報道官は「北朝鮮の今回の代表団は、冬季五輪を祝うと共に朝鮮半島の緊張を緩和しようとする北側の意志が込められていると評価できる」として、歓迎の意を示した。キム報道官は「特に、キム・ヨジョン第1副部長は金正恩委員長の実妹として、労働党で重要な役割を果たしており、その意味がより大きいと言える」としたうえで、「政府は、高官級代表団が韓国に滞在する間、準備に抜かりがないよう務める」と明らかにした。

 9日から2泊3日間にわたり、南側に滞在する予定であるキム副部長はキム・ヨンナム常任委員長など高官級代表団と共に、10日に大統領府で文在寅(ムン・ジェイン)大統領と面会する可能性もある。大統領府が公開した文大統領の平昌五輪をきっかけにした首脳外交日程によると、10日には他の首脳会談の日程がない。北朝鮮憲法上国家元首に当たるキム常任委員長とキム副部長など、歴代最高官級代表団が訪韓するだけに、首脳会談に準じて礼遇した場合、文大統領が彼らを招待して昼食や夕食を共にすることもあり得る。ク・ガブ北韓大学院大学教授は、キム副部長の訪韓ニュースに「本物の実力者が来ると見るべきだ」とし、「チェ・リョンへ労働党副委員長を送るよりも積極的なカードと言える」と話した。大統領府関係者も「キム・ヨンナム委員長一人が来るよりは、はるかに重みのある役割を持って韓国を訪れるだろう」という見通しを示した。

 統一部は「平昌冬季五輪の開幕式を祝うための訪問という趣旨に合わせて、労働党や政府、体育界関係者で構成したものと評価している」と明らかにした。ただし、キム副部長とチェ委員長は米財務省の制裁対象である上、チェ委員長は国連安全保障理事会決議第2356号の「旅行禁止」対象にも含まれており、議論を呼ぶものと予想される。同日、北朝鮮が送ったリストにはリ・テクゴン、クム・ソンへなど16人の保障成員(行事支援要員)と記者3人も含まれている。

キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/831320.html韓国語原文入力:2018-02-07 22:09
訳H.J

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