「とても寒いです」
4日午前2018平昌(ピョンチャン)冬季五輪フィギュアスケートとショートトラックの競技が開かれる江陵(カンヌン)アイスアリーナの入口。「SECURITY」という文字が刻まれた分厚いダウンコートを着込んだある女性保安検査担当が、こう話しながら肩をすくめた。同日、氷点下10度を下回る天気に風まで吹き、体感温度は氷点下20度まで達した。彼女は取材陣に「寒くて死にそう」と語りながらも、五輪を支えるという自負心のためか、明るく笑っていた。彼女はボランティアではなく、アルバイトで午前9時から夜9時まで12時間勤務する。
9日夕方8時から2時間にわたり平昌五輪スタジアムで行われる開幕式の日も、最低気温が氷点下10度を下回る寒波が予想される。今月3日夜、リハーサルの形で開かれた模擬開幕式は、氷点下15度に体感温度は氷点下22度まで下がる厳しい寒さの中で行われた。組織委員会のある関係者は「中に防寒下着を着て、毛糸の帽子をかぶって、マフラーをして、靴下2枚を重ね履きして、マスクまで付けたのに、まだとても寒い」と話した。
模擬開幕式は、近隣の珍富(チンブ)駅から五輪スタジアムまでシャトルバスで入場客を運ぶなど、実際の状況のように進められた。ボランティアや出演陣の家族、関係機関の関係者、平昌と江陵住民など約2万人が招待された。行事は夜10時10分に終わったが、寒さに耐え切れなかった一部の観客が先に席を立つ場面もあった。行事が終わる前に出てきた50代の女性は毛布を全身をくるんだまま「足の指が凍傷になりそうで、帰ることにした」と語った。
スタジアムには、風が特に強いところに防風幕を設置し、暖房の入った休憩室(18カ所)と観覧客用大型ヒーター(40台)もある。しかし、スタジアム入場に向けたセキュリティ検査のため、長い列を作って1時間以上も寒さと闘いながら待つ時間が、(観客たちには)最もつらい様子だった。Kさん(54・京畿道高陽市)は「セキュリティ検査もいいが、厳しい寒さの中1時間以上も外に立たせるなんてとんでもない」と指摘した。
開幕式は良い評価を受けた。ある観客は「寒すぎて開幕式の内容は良く思い出せない」と話したが、「開幕式そのものは華麗で荘厳な印象だった。まだ未就学の子どもも楽しめたようだ」と肯定的に評価した。
平昌五輪組織委員会の関係者は「寒さのため苦労したが、ボランティアらを激励してくれる人も多かった。セキュリティ検査で長く待たなければならないなど問題もあったが、全体的にはよかったという評価が多かった」と話した。