トーマス・バッハ国際オリンピック委員会(IOC)委員長がIOCの主導で行われた2018平昌(ピョンチャン)冬季五輪の「平和五輪」イメージをもう一度強調した。
バッハ委員長は31日、国内メディアとのインタビューで「IOC本部で平昌五輪関連の南北合意が行われた後、韓国では世論が賛否に分かれたが、これを予想していたか」という質問に対し、「世界は平昌(五輪)会議の結果を熱烈に歓迎した。単一チームと南北共同入場が送る強力な平和のメッセージを全世界は大きく期待している」と答えた。
バッハ委員長は、東西ドイツ分断時代の経験も紹介した。彼は「東西ドイツが何かを共に進めようとした際、すべての人々が喜んだわけではなかった。東西ドイツが特定期間の五輪に単一連合チームとして参加したこともあったが、双方の選手皆が幸せだったわけでもない」としたうえで、「分断だけを経験し、統一国家の経験を持たない世代もある。我々は彼らに説明し、未来に向けて進まなければ。あらゆる発展過程を幅広く考えなければならない。(単一チーム)出発から100%の支持を期待することはできない」と述べた。
国内では、南北女子アイスホッケー単一チームの構成をめぐり、20代と30代の反発が激しかった。世代間の認識の差が明らかになったという指摘がある一方、「平和効果」による便益の方がはるかに大きいという主張もある。
西ドイツ出身で分断ドイツ時代を経験し、1976年モントリオール五輪でフェンシング金メダルを獲得したバッハ委員長にとっては、南北のスポーツ交流が特別な意味を持つ。彼は「平昌五輪以降もこのような交流は続くだろう。政治的に中立を守りながらも、人々の間に橋を架けることで、分かり合うようにすることもIOCの仕事だ。近づくことができれば友達となり、互いをより理解できるというのは、これまでの経験からも明らかだ。対話で平和な解決策を見出すことができる」と強調した。
バッハ委員長は、近く北朝鮮を訪問する意向も示した。彼は「ローザンヌで開かれた平昌会議で、北朝鮮に招待された。適切な時期に訪朝する予定で、今、北朝鮮と時期を調整している」と明らかにした。
バッハ委員長は2月10日夕方9時10分、関東(クァンドン)ホッケーセンターで開かれる南北単一チームとスイスの女子アイスホッケーB組の第1試合を観覧する予定だ。彼は「単一チーム選手らが見せてくれた誕生日パーティーこそが五輪であり、五輪の精神だ。最初は懐疑論もあったが、北朝鮮選手らが合流した後、合同訓練で南北選手らが互いを知り、数日後には北朝鮮選手らの誕生日パーティーも一緒に開いた。誰かに五輪精神は何かと聞かれたら、これだと答えたい」と述べた。