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[ニュース分析]平昌で会う文大統領と安倍首相、慰安婦・北核問題の接点は見つかるか

登録:2018-01-24 23:40 修正:2018-01-25 08:07
韓日首脳“平昌をテコ”に会合 
安倍「2020東京五輪」名分 
平昌五輪開幕式出席に旋回 
南北対話で日本の立場が狭まるや 
朝鮮半島情勢に攻勢的探索に乗り出す 

大統領府「韓・日関係発展に役立つ」
安倍晋三首相が24日、官邸で記者団と会い、平昌冬季五輪開幕式への出席および文在寅大統領との首脳会談を行う意思を明らかにしている=東京/共同聯合ニュース

 安倍晋三首相が来月、平昌(ピョンチャン)冬季五輪開幕式に参加すると明らかにしたのには、日本の国内政治状況が最も強く作用したと見られる。改憲動力が低下し、支持率も思わしくない状況で、2015年の韓日日本軍「慰安婦」被害者問題合意(12・28合意)履行要求の声を高め、対北朝鮮強硬政策を説明する方が有利と判断した可能性が高い。一方、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「12・28合意で慰安婦問題が解決されたと見ることはできない」という立場を堅持して、韓日関係を未来指向で発展させていくという「過去未来分離アプローチ」方針を明らかにしており、両首脳が会談でこの問題をどのように解いていくかが注目される。

 安倍首相が24日、東京の首相官邸で平昌五輪開幕式への出席の意思を明らかにし、まず言及したことは「2020年の東京五輪」だった。12・28合意問題で刺々しい韓国政府を相手に、訪韓意思を容易には明らかにしにくい安倍首相の立場としては前に出す最も無難な名分だ。

 安倍首相が文在寅政府に対し12・28合意の履行を求める姿を見せるのに、平昌五輪が最適な場所だと判断したという分析もある。この日、産経新聞に載せられたインタビュー記事で、安倍首相は「慰安婦問題について韓国が一方的に追加措置を要求するのは受け入れられない。こうした考えを大統領に直接伝えるべきだと考える」と話した。ハ・ジョンムン韓信大学教授は「安倍首相が、言うべきことは言う首相というイメージを誇示しようとしている」と分析した。

 安倍首相の相次ぐ「見えすいた脅し」にも、大統領府の内外では安倍首相の訪韓自体に注目する雰囲気だ。大統領府関係者は「安倍首相の平昌五輪出席は、韓日関係の発展にも役立ち、大きな意味がある」と話した。安倍首相の訪韓が、両国関係の改善を込めたメッセージだということだ。ヤン・ギホ聖公会大学教授も「安倍首相が訪韓するということが重要だ」と評価した。

 したがって、両首脳が過去二回の首脳会談と同じように「慰安婦」問題などについてはお互いの立場の差を確認する水準で議論するだろうと見られる。大統領府は、安倍首相が提起する12・28合意問題や日本大使館前の「平和の少女像」撤去問題と関連して、歴史問題と経済・文化など他の分野とを分離して対応する「ツートラック」接近を継続する方針だ。文大統領は、新年の辞などで明らかにしたように歴史問題に対しては「日本に真実と正義という原則に立った解決を要求」する一方で、「日本との未来指向的関係」を追求するという立場を伝えるものと見られる。大統領府の核心関係者は「安倍首相も韓国政府の基本的態度はすべて分かっている。首脳会談でこの問題が出てはくるが、両国関係全体を支配するほどのイシューにはなりそうにない」と話した。ハ・ジョンムン教授も「相手の牌をすべて知っているので、お互いの立場を正確に確認し、出発ラインに対する共有がなされれば、今後(の韓日関係)をどのようにするか実務的な協議に移ることができるだろう」と見通した。

 両国間の関係改善が必要だという共感に基づいて、今回の首脳会談で文大統領の日本訪問問題を議論するという展望も出ている。3~4月に予想された韓中日首脳会議が、中国の“無反応”で実現できない場合、韓日両国が文大統領の単独訪日を推進する可能性も提起されている。

 安倍首相は文大統領に会い、北朝鮮に対する制裁・圧迫の維持と韓米日協力を強調すると見られる。ただし南北対話の局面が広がっているだけに、安倍首相にとって今回の会談は、朝鮮半島問題で日本が疎外される状況を防ぐための探索という性格もあるように見える。

キム・ジウン、ソン・ヨンチョル記者、東京/チョ・ギウォン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/829271.html韓国語原文入力:2018-01-24 21:39
訳J.S

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