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[社説]安倍首相の「平昌五輪」出席が韓日関係復元の出発点になることを願う

登録:2018-01-25 04:53 修正:2018-01-25 08:05
日本の安倍晋三首相=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 日本の安倍晋三首相が24日、平昌(ピョンチャン)冬季五輪の開幕式に出席する意向を明らかにした。歓迎すべきことである。安倍首相の言葉通り、「五輪は平和の祭典」である。遠くフランスのエマニュエル・マクロン大統領など、多くの国家元首が出席するのに、隣国の日本の首相が欠席するのは不自然だ。また、日本は2020年東京五輪の開催国であり、五輪ムードを引き継がなければならない実質的利害関係もある。

 むしろ、昨年末、韓国政府の「慰安婦合意タスクフォース」発表に不満を示し、これを自身の平昌の開幕式への出席と連携する構えを見せたのが正しくなかったと思う。安倍首相は今回、五輪開幕式に出席する意向を明らかにし、「文在寅(ムン・ジェイン)大統領に、慰安婦合意に対する日本の立場を確実に伝えたい」と述べた。これに先立ち、産経新聞とのインタビューでは少女像の撤去を要求する意向も示した。

 「前政権の合意内容を守るべき」という日本の立場は分からなくもない。また、韓日首脳会談で、安倍首相がそのような主張を展開するのも驚くべきことではないだろう。しかし、久しぶりの訪韓であり、五輪開幕式への出席を控えた状況で、「まず不満を聞いてもらう」というのは適切でない。五輪の準備に余念がない隣国に対する礼儀でもないだろう。

 安倍首相の訪韓が実現すれば、文在寅政権発足後、日本首相としては初めての訪韓となる。2015年11月の韓日中首脳会議以来、2年ぶりの日本首相の訪韓である。昨年7月、ドイツ・ハンブルクで開かれた主要20カ国・地域(G20)首脳会議で、文大統領と安倍首相は首脳会談を通じて「シャトル外交の復元」に合意した。しかし、その後もこれと言った進展は見られなかった。「慰安婦問題」をめぐる軋轢が主な原因であることは明白だ。しかし、すでにタスクフォースが明らかにしたように、「慰安婦問題」は短期間の外交交渉で一気に解決できる事案ではない。この問題は単純な外交懸案ではなく、人類普遍の人権問題でもある。女性の人権の観点から、長期的な視野で意見の相違を解決していく、至難な過程を経なければならない。

 したがって、慰安婦問題を安保・経済など他の懸案と切り離していくのが適切であろう。「慰安婦問題」を韓日関係全般と連携した場合、いかなることが起きるのかは、朴槿恵(パク・クネ)政権時代にすでに経験した。韓国と日本いずれもそのような過ちを繰り返す理由も、必要も、時間もない。安倍首相の訪韓をきっかけに、「シャトル外交」を復元する一方、ツートラックで韓日関係を進展させる成熟で実効性のある姿勢が求められる。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/829236.html韓国語原文入力:2018-01-24 19:01
訳H.J

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