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イ・スフン駐日韓国大使「慰安婦問題にTHAAD式解決法…長期的接近を」

登録:2018-01-23 22:50 修正:2018-01-24 07:27
最近、外交部取材記者団懇談会で 
「(日本の追加措置には)大きな期待をしていない 
『慰安婦』問題の縫合…政界攻略中 
文大統領の訪日、年内には」
イ・スフン駐日韓国大使//ハンギョレ新聞社

 イ・スフン駐日韓国大使が日本軍「慰安婦」被害者問題に対して「『慰安婦』問題はあの(2015年)合意でも解決できないが、韓日間で追加的に何らかの努力を共にすることが本当に難しい」としつつ「(論議が)これ以上過熱しないよう折り合い」をつけたと話した。

 イ大使は15日東京で、韓日記者団交流プログラムのために日本を訪問した韓国外交部取材記者団との懇談会で「(『慰安婦』問題は)長い目で長期的な接近をしよう」と述べた。それと共に「(『慰安婦』問題は)懸命に解決しようとすれば、そっとしておけば癒える傷口が付けたり剥がしたりするうちにぶり返すというような、そのようなこともある」と付け加えた。イ大使はこれに先立って文在寅(ムン・ジェイン)政府がこの問題と関連して出した“解決法”について「THAAD型解決法と見ることができる」と説明した。

 これは、カン・ギョンファ外交部長官が9日に、韓国政府は2015年韓日日本軍「慰安婦」被害者問題合意(12・28合意)の「再協議は要求しない」としつつも「日本政府が和解・癒やし財団に拠出した10億円を韓国政府の予算で充当し、今後の処理方案については日本政府と協議する」と明らかにしたことについての発言だ。カン長官はこれと共に、12・28合意で「慰安婦」問題は解決されえないという点を明確にする一方、日本政府に対して被害者が望む真の謝罪などの「自発的追加措置」を「期待する」とも明らかにし、日本政府の反発を買っている。

 イ大使はこれに対する日本政府の気流に対しては「相手方に受容し理解する態度があるならば、『10くらいはやってくれ、こっちが90はするから』とか、あるいは『20対80でするから』などと交渉的な努力が可能だが、そのアプローチが通じない雰囲気」だと伝えた。また、被害者が要求する日本の真の謝罪などの措置に対しては「現時点では大きな期待をしていない」と話した。ただし、カン長官の発表後「日本政府の反発は思ったよりは弱かった」とも伝えた。

 イ大使が、文在寅政府の「慰安婦」問題に対するアプローチ法について、“THAAD型解決法”と話したのは、先立って韓国と中国政府がTHAAD(高高度防衛ミサイル)に対する両国の立場の差をひとまず折り合いをつけ、両国関係を復元することにしたのと似た脈絡で解説したものと見られる。すなわち、韓日間が平行線を辿っている「慰安婦」問題は一旦棚上げし、他の分野の交流・協力を増進するという意味だ。文在寅政府が対日本政策で取っている「慰安婦」問題などの歴史問題と、その他の経済・文化分野の協力を分離して対応するという“ツートラック”アプローチ法と同じだ。

 イ大使はさらに「韓国政府が被害者をいたわり慰め、多くのことをしているではないか」とし「安倍政権、特に首相官邸は、慰安婦合意に対する思いが強い」と話した。イ大使は「いくら対話しても見込みが立たず、それでこうしたことが政界に広がらないようにするために多くの政治家たちに会っている」と伝えた。

 イ大使は文大統領の訪日時期に関して「今年中には当然行かなければならない」として「(日本が今年開催する予定の)韓中日首脳会議もまったくできないようであれば単独訪問もしなければならないが、韓中日首脳会議は3~4月にするだろう」と話した。

 安倍晋三首相の平昌(ピョンチャン)冬季五輪出席の可能性に対して、イ大使は「まだ分からない」として「衆議院議長(大島理森議員)が来て、額賀福志郎・日韓議員連盟日本側会長や知韓派議員もたくさん来るだろう。(執権自民党の連立パートナーである)公明党からも大勢来るだろう」と話した。

外交部共同取材団、キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/828955.html韓国語原文入力:2018-01-23 15:36
訳J.S

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