女子アイスホッケー南北単一チームの構成をめぐる合意は、容易ではなかったことが明らかになった。
ト・ジョンファン文化体育観光部長官は20日(現地時間)、トーマス・バッハ国際オリンピック委員会(IOC)委員長の会議結果発表の直後に行われたインタビューで、南北のオリンピック委員会、平昌(ピョンチャン)冬季五輪組織委員会、IOCの会議で「女子アイスホッケー単一チームの構成が最も難しい部分だった」と明らかにした。
女子アイスホッケーのチームエントリーはもともと23人で、試合出場エントリーは22人だ。当初、南北単一チームの構成で6人前後の北朝鮮選手らが加わり、チームエントリーを29人に増やすというのが南側関係者らの見通しだった。しかし、IOCは南北単一チームに限り、チームエントリー23人に12人の北朝鮮選手を加えて35人まで増やした。しかし、試合出場エントリーをめぐっては意見が分かれた。
ト・ジョンファン長官は「女子アイスホッケー単一チームの問題を調整するのにかなり時間がかかった。IOC側は一試合に5人の北朝鮮選手がが出場できればいいという意見を提示した。それで大韓アイスホッケー協会と電話で話し合ったが、協会や監督が(北朝鮮選手)3人なら受け入れられるという立場だったため、結局、(試合当り北朝鮮選手の出場は)3人に決まった」と述べた。北朝鮮選手5人を出場させるという提案が、北朝鮮の意思なのかは確認されていない。ト長官は「国際アイスホッケー連盟(IIHF)が、北朝鮮選手5人を出場させるため、(すべてのチームにおいてエントリーを)27人まで増やすことを提案したが、IOCと南側が公正性を理由に受け入れなかった」と付け加えた。
国際アイスホッケー連盟が確固不変のチームエントリーの変更に乗り出したのは、ルネ・ファゼル会長の特別な関心のためだ。ファゼル会長は昨年4月、江陵(カンヌン)で開かれた世界大会ディビジョン2グループA(4部リーグ)で南北の試合を直接観戦した後、南北選手らと共に記念撮影を行うなど、親近感を誇示した。世界最高の北米アイスホッケーリーグ(NHL)の選手らが平昌五輪にほとんど出場しない中、南北単一チームで興行の契機を作ろうとしているとの指摘もある。ファゼル会長は、南北女子アイスホッケー単一チームに対するスイスなど一部国家の反発も適切に調整し、今回の合意を支えた。
女子アイスホッケー単一チームの調整を除いた残りの案件は、現地時間で午前中に終わるなど、順調だった。ト長官は「IOCが追求する相互理解、対話、平和の価値と我々が主張した五輪を通じた平和でより良い世界の建設という趣旨が合致した。北朝鮮選手団にショートトラック選手2人が追加されただけで、クロスカントリースキーで3人、アルペンスキーで3人、フィギュアフェアで2人、単一チームに含まれる女子アイスホッケー12人の平昌オリンピック参加はこれまでの南北間接触で協議された内容だ」と明らかにした。