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大統領府、不正捜査糊塗する李元大統領に「越えてはならない一線超えた」

登録:2018-01-19 06:06 修正:2018-01-20 06:49
文大統領が李元大統領発言を強く批判した理由とは 
「政治争点化狙っている」という参謀らの反対にも 
直接「なぜ我慢しているのか」と発言の公開を指示 
 
盧武鉉元大統領取り上げ、政治報復で糊塗 
李明博大統領の居直り発言が“逆鱗”に触れ 
権力機関動員した標的捜査云々に 
「政治襟度に欠ける」強硬対応乗り出す
文在寅大統領が昨年、大統領府で開かれた首席・補佐官会議で物思いにふけっている=キム・ギョンホ先任記者//ハンギョレ新聞社

 「怒りを禁じ得ない」、「韓国政府に対する侮辱」、「司法秩序に対する否定」。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が18日、パク・スヒョン大統領府報道官を通じて公開した発言は激しいものだった。李明博(イ・ミョンバク)元大統領が前日、記者会見を要請し、自身に向かって迫ってくる検察の捜査を「盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の死に対する政治報復」と主張した時も、大統領府は反応を控えてきた。論評を出さず、記者団の質問にも参謀たちは「言うことがない」と述べただけで、口を閉ざしていた。「元・現職大統領の対立」に争点化されることを恐れての沈黙だった。しかし、1日経ってから、文大統領が李元大統領を直接批判した。参謀の中には「政治争点化を狙う李元大統領の意図に巻き込まれる恐れがある」として、反対する人もいた。これに対し、文大統領は、むしろ「なぜ我慢しているのか」と参謀たちを叱責し、報道官に自分の発言を伝えることを指示したという。大統領府関係者は、文大統領の発言を「冷たい怒り」と表現した。

 現職大統領が検察捜査に直面した元大統領の抗弁を直接批判したのは、非常に異例のことだ。大統領府の別の関係者は「李元大統領が越えてはならない一線を超えた」と話した。2009年に盧武鉉元大統領を極端な選択に追いやった責任が少なくない当事者が、盧元大統領の死を、自分や側近の不正疑惑に対する捜査を「政治報復」と規定する名分として活用したのが、文大統領の逆鱗に触れたものとみられる。「盧武鉉の同志」だった文大統領にとって、盧元大統領の逝去は“胸に納めて”生きているものの、絶対に忘れられない“本質的な傷”だ。政治と距離を置いていた文大統領は、盧元大統領の逝去後、自ら表現した通り「運命」のように現実政治の場に呼び寄せられた。大統領就任後、盧元大統領の8周忌追悼式で彼は「盧武鉉政権を越えて完全に新しい大韓民国、国らしい国に拡張していかなければならない。現職大統領としてこの場に出席するのは今日が最後」だと述べ、“盧武鉉の同志”から“大統領”に重きを移した。ところが、李元大統領が(自身に対する捜査が)盧元大統領の死のに対する政治報復と主張したため、文朴大統領の目には“居直り”と映ったようだ。

 李元大統領が検察捜査を「政権の企画」と主張したのも、文大統領の怒りを招いたものと見られる。盧武鉉政権時代、検察と国家情報院など権力機関を動員した政治を警戒しており、現在もその原則を維持しながら、警察や検察、国家情報院の改革に力を注いでいるのに、まるで検察が大統領府の指示で李元大統領周辺を捜査しているかのように表現したことは、座視できないと判断したものだ。実際、文大統領は「李元大統領が、まるで大統領府が政治報復のために検察を動かしたように表現しているが、これは韓国政府に対する侮辱」だとし、李元大統領の発言を司法秩序に対する否定である共に、政治の襟度に欠けることだと規定した。

 大統領府関係者は「大統領が直接乗り出す場合、負担があるしかない」としながらも、「文大統領は政治的な有利・不利を考えて決定するスタイルではない。重要な決定を控えていつも問う質問は『正しいか』『国民がどう受け止めるか』だ」と話した。にもかかわらず、文大統領の憤りの表出が思いがけない方向に流れる可能性がある。李元大統領に対する検察捜査が「政治報復か否か」という論争の構図が作られることもあり得る。 改憲と権力機関の改革など、年初に切り出した主な議題が、政争に閉じ込められて野党の協力を引き出すのに障害として作用する可能性もある。

 自由韓国党側は、文大統領の強い反発を歓迎している様子だ。自由韓国党のある議員は「泣きたい時にちょうど頬を叩かれたようなものではないか」と話した。チャン・ジェウォン首席代弁人は論評で「大統領府が政治報復のために検察を動かしているように見えたくなければ、金大中(キム・デジュン)、盧武鉉政権に対しても公平に捜査すべき」と主張し、逆攻勢を始めた。

キム・ボヒョプ、キム・ナムイル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/828475.html韓国語原文入力:2018-01-18 22:34
訳H.J

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