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李元大統領の「執事」、大統領府付近で元国情院長から上納金2千万円直接受け取った

登録:2018-01-16 03:30 修正:2018-01-16 07:28
国情院特殊活動費捜査 
国情院予算官「キム氏側に4千万円直接渡した」供述 
検察の対質尋問にもキム氏「憶えていない」 
李明博大統領の執事、今日令状審査 
結果によって李明博大統領捜査の分水嶺に
李明博元大統領の「執事」と呼ばれたキム・ベクジュン元総務企画官が国情院特殊活動費の上納と関連した取調べを受けるため、13日午後、瑞草区ソウル中央地検に入ろうとしている/聯合ニュース

 李明博(イ・ミョンバク)元大統領の「執事」と呼ばれたキム・ベクジュン元大統領府総務企画官が、国家情報院の予算官から直接金銭を受け取っているという供述を検察が確保したことが15日、確認された。ウォン・セフン元国情院長も李明博政権時代の大統領府に特殊活動費を渡したことを事実上認めたという。16日に予定されたキム元企画官の拘束前被疑者尋問(令状実質審査)の結果によって、李元大統領に向けた捜査がまた別の分水嶺を迎えるものと見られている。

■「キム元企画官が直接国情院の上納金を受け取った」

 ハンギョレの取材結果を総合すると、ソウル中央地検特殊2部(部長ソン・ギョンホ)は最近、国情院企画調整室の予算官からキム元企画官に上納した金額が、2回にわたり2億ウォン(約2千万円)ずつ合わせて4億ウォン(約4千万円)あり、このうち2億ウォンは2008年キム・ソンホ院長時代の企画調整室予算官が直接キム元企画官に渡したという供述を確保したという。このカネは全額1万ウォン札でスーツケースに入れられて渡された。残りの2億ウォンは2010年、ウォン・セフン国情院長時代に渡されており、このカネも他の企画調整室予算官がキム元企画官の指示を受けた職員に手渡したという。今度は5万ウォン札で紙袋に入っていたことが分かった。当時、カネを手渡した予算管は、大統領府にカネを上納した事実をウォン・セフン元院長に報告したという供述もしたという。カネが渡された場所はいずれも大統領府近くの駐車場で、このカネはキム元企画官側に“ひそかに”伝達された。

 検察はまた、当該予算官だけでなく、キム・ジュソン、モク・ヨンマン基調室長を調査する過程でも、大統領府にカネを上納したという趣旨の供述を確保した。ウォン元院長もやはり、今月12日に行われた検察の非公開で召喚調査で、“李明博大統領府”にカネを上納した事実を一部認めたという。

■国情院予算官とキム・ベクジュン氏の“対質尋問”も

 しかし、キム元企画官は13日、検察の捜査で特殊活動費を受け取った事実を全面的に否定した。検察は、カネを“直接”手渡した予算官との対質尋問まで行ったが、キム元企画官は憶えていないという言葉を繰り返したという。検察はキム元企画官の証拠隠滅の可能性が高いと見て、召喚調査してから8時間後に拘束令状を請求した。キム元企画官に対する拘束前被疑者尋問は16日開かれる。

 キム元企画官は「李元大統領の財産を大統領よりもよく知っている人」とされており、「金庫番」の役割を果たしてきた人物だ。2009年9月、大統領府は大統領室訓令まで改正し、総務秘書官を首席秘書官級である総務企画官に変えて、批判を受けたこともあった。それだけに、検察はキム元企画官が李元大統領の指示や承認なしに特殊活動費を密かに受け取った可能性は低いと見ている。

 李元大統領側は同日、“緊急会議”を開き、キム元企画官が2008年5月、マンション近くで2億ウォンを受け取ったという容疑は事実と異なると主張したとされるが、実際、検察拘束令状などにはマンション付近でカネを受け取ったという犯罪事実は盛り込まれなかったという。むしろ、検察が把握したもののほかに、他の金銭のやり取りがあったのではないかという疑念を抱かせる部分だ。

 一方、キム元企画官と共に拘束令状が請求されたキム・ジンモ元大統領府民政2秘書官の拘束前被疑者審問も同じ日に開かれる。キム元秘書官は、国情院から5000万ウォン(約500万円)を受け取った容疑を受けている。検察はこのカネが「民間人査察」疑惑を暴露したチャン・ジンス元首相室公職倫理支援官室主務官の「口止め料」として渡されたとみている。

ソ・ヨンジ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/827864.html韓国語原文入力:2018-01-15 22:57
訳H.J

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