本文に移動

「開城工団閉鎖」公式機構は脇役・・・朴槿惠は誰と相談?内幕明らかにせねば

登録:2017-12-29 22:03 修正:2018-01-03 08:48
統一部革新委、全面中断過程を公開
開城工団入居企業と協力会社の役職員が去年3月16日午後、開城工団閉鎖による被害補償と開城工団再稼動を要求して京畿道坡州市(パジュシ)臨津閣(イムジンカク)から統一大橋南端まで「開城工団平和大行進」をしている。彼らは「開城工団被害補償特別法制定のための請願運動」への参加を市民に訴えた=坡州/キム・テヒョン記者//ハンギョレ新聞社


朴前大統領の指示後、統一部撤収対策案作成
キム・グァンジン当時安保室長は「細部計画」

NSC常任委、中断決定権限ないのに
手続き的正当性を包装するため会議開く
当時与党圏では「チェ・スンシル介入説」提起

「賃金の核・ミサイル開発転用」なる主張
NSC・関係機関協議もなしに発表
脱北者の陳述をもとに…直接証拠なし

 統一部政策革新委員会(委員長キム・ジョンス・以下革新委)が28日明らかにした開城(ケソン)工業団地の全面中断決定過程は衝撃的だ。 定められた法手続きを無視したまま朴槿惠前大統領の“一言”で「南北和合の玉童子(玉のような男の子)」である開城工団が一朝にして門を閉ざすことになったからだ。 革新委は「全面中断決定の真実が明かされてこそ再開の糸口も見出すことができるだろう」と強調した。

■ 朴槿惠前大統領の口頭指示一言で“撤収”

 2016年1月6日、北朝鮮が第4次核実験を実施した直後にも統一部は「開城工団閉鎖や撤収は検討していない」と公言していた。 革新委は「(去年)2月7日北朝鮮の長距離ミサイル発射直後に開かれた国家安全保障会議(NSC)でも開城工団全面中断を決めたことはない」と明らかにした。

 状況が急変したのは翌日の午前からだ。 キム・ギュヒョン当時大統領府外交安保首席がホン・ヨンピョ当時統一部長官に「開城工団を撤収せよ」という朴前大統領の口頭指示を通知した。 午後にはキム・グァンジン当時国家安保室長が会議を召集して統一部が用意した撤収対策案を基礎に細部計画を作成。次いで朴前大統領の“口頭指示”二日後の2月10日、 NSC常任委員会で開城工団全面中断を協議した。 事後的に手続き的正当性を付与するための要式行為だった。

 しかし革新委関係者は「NSC常任委員会は憲法と法律によれば開城工団中断を決める機関では全くない。諮問機構に過ぎない」として「結局(朴前大統領の行為は)憲法と法律を飛び越えた超法的行為だ」と明らかにした。 革新委はしかし「大統領が誰とどのような手続きで(撤収)決断を下したのか確認されなかった」として「これは別の手続きを通して究明されなければならないことだ」と述べた。 革新委も真実に接近できなかっただけに、検察捜査など追加措置が必要だという意味に読める。 当時与党圏の一角では「チェ・スンシル介入説」が提起されていた。

今年2月「開城工団閉鎖」から1年を迎え、工団を一目で見渡せる都羅山展望台から開城工団の日暮れを撮影した。工団は映画に出てくる人の住んでいない都市のようだった。道行く人は見えず建物には明かり消えていた。街灯だけが寂しく工団を照らしていた=キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社

■ 根拠ない「開城工団賃金転用」の主張

 入居企業側との事前協議や予告もなしに2016年2月10日開城工団全面稼動中断を発表した際、政府は主要根拠として開城工団労働者の賃金が北朝鮮の核・ミサイル開発資金に転用されていると主張した。 しかし統一部は北朝鮮の第4次核実験後までも「開城工団の賃金の核開発転用関連性はない」という立場を維持していた。

 開城工団全面中断発表の前日である2月9日に統一部が作成した政府声明草案にも、関連内容はなかった。 だが2月10日のNSC常任委以後、政府声明文の大統領書面報告過程で転用主張が最終的に含まれた。 根拠も、関係機関の協議も経ないままだった。 開城工団資金転用主張の根拠資料に使われた情報機関の文書が統一部に伝達されたのは三日後の2月13日だ。 主に脱北民の陳述及び情況などに基づいて作成されたこの文書にも「直接的な証拠を確認することはできなかった」と書かれているほどに不確実なものだった。

■ 「南北関係も法を守ってこそ」

 革新委は「政策革新意見書」において「開城工団全面中断措置は憲法・南北関係発展法・南北交流協力法・行政手続法などに基づく行政行為ではなく、いわゆる統治行為方式で成された」とした上で「南北関係も法治の例外にはなり得ず、法を飛び越える統治行為は望ましくない」と指摘した。

 2008年7月の観光客被撃事件以後決定された金剛山観光中断と2010年3月の天安艦事件以後南北交易を全面中断させた5・24措置もやはり、法・制度を飛び越えた「統治行為」だった。 開城工団全面中断決定以後、人道的支援を含む南北民間交流が全面統制されたのも同じ理由からだ。

 キム・ジョンス革新委員長は「民間交流協力は民間の自律性を保証し、人道的対北朝鮮支援は政治・軍事的状況と別個に人道主義の原則によって推進すべきだ」として「政治的党派性に振り回されずに国民的合意を土台に法律に基づいて一貫性をもって統一政策が行われるためには、関連法制の全般的整備が必要だ」と強調した。

チョン・インファン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/825528.html韓国語原文入力:2017-12-28 22:19
訳A.K

関連記事