「開城(ケソン)工業団地全面中断」
誰も予想できなかった。各入居企業は最小限の設備と副資材を持って来る時間すらなく、数万人に及ぶ入居企業と下請会社の職員は一瞬にして職場を失った。去年初め北朝鮮の核実験のあった後も、大統領府と政府は「開城工団は対北制裁手段ではない」という態度を見せていた。突然の決定は大統領の孤独な決断と見えた。皆が疑問を持ったその突然の決定は、「チェ・スンシルゲート」が顕わになると顛末が見えてきた。ミル財団職員の話によると、チェ・スンシル氏が秘密の会合で「開城工団閉鎖」を論議したそうだ。朴槿恵(パク・クネ)大統領が決断を下す過程にチェ氏が関与した可能性が高いものと疑われる。
「開城工団閉鎖」1年を迎え、工団を一目で見渡せる都羅山展望台から開城工団の日暮れを撮影した。工団は映画に出てくる、人の住んでいない都市のようだった。道行く人は見えず、建物には明かりがついていなかった。街灯だけがさびしく工団を照らしていた。 開城工団で一番明るい所は板門(パンムン)駅の南北出入事務所(CIQ)だった。静まりかえった線路は列車を待っているようだった。保守政権下で南北関係が悪化するたびに浮き沈みを経験したが、開城工団は緊張を緩和する役割をしながら粘り強く成長してきた。南北経済協力の象徴であった。 一日も早く南北関係が改善され、開城工団に明るい灯がともり南北の人々と工産品を積んだ列車と車両の行列でいっぱいの姿が見たい。
韓国語原文入力: 2017-02-02 22:36