韓国国民が最も多くかかるたがんとして、胃がんが再び第1位の座に復帰した。2009年からずっと頻度の高いがん1位だった甲状腺がんは、過剰検診の議論の後に大幅に減り、3位に下がった。全体のがん発生は4年連続で減少を記録している。がんにかかっても5年の相対生存率は71%と、毎年増え続けている。
21日、保健福祉部と中央がん登録本部が公開した「2015年がん統計」によると、2015年に新たに発生したがん患者数は21万4701人で、2014年の21万8954人より4253人(1.9%)減少した。がんの種類別に見ると、甲状腺がん患者数の減少幅が最も大きく、2015年には前年よりも6050人減った。減少幅も19.5%に達した。続いて胃がん818人(2.7%)、大腸がん422人(1.6%)、肝臓がん83人(0.5%)の順で減少した。一方、乳がんは患者数が前年より798人(4.3%)、前立腺がんは341人(3.5%)、すい臓がんは340人(5.7%)増えた。
甲状腺がんが大きく減ったのには、2014年3月に発足した「甲状腺がん過多診断阻止に向けた医師連帯」の活動が影響を及ぼしたものとみられる。医師連帯は当時、「韓国の甲状腺がん患者数が2011年基準で世界平均の10倍以上」だとし、「原子力発電所の爆発などこれといった事故もない状況で、特定のがんがこれほど多いのは過剰診断のせい」と指摘した経緯がある。
2015年基準で最も多く発生したがんは胃がんで、全体のがんの13.6%を占めており、大腸がん(12.5%)、甲状腺がん(11.7%)、肺がん(11.3%)、乳がん(9%)、肝臓がん(7.3%)、前立腺がん(4.8%)の順で続いた。男性は44歳までは甲状腺がん、45~69歳には胃がん、70歳以後には肺がんが最も多くかかり、女性は39歳までは甲状腺がん、40~64歳は乳がん、65歳以後は大腸がんが最も多く発生した。
国内がん患者発生は2012年以降4年連続で減少した。1999年以降は一年平均3.6%ずつ増加し、2012年以降毎年6.1%ずつ減少する傾向を見せている。韓国のがん発生率は人口10万人当たり253.8人で、経済協力開発機構(OECD)平均値である270.3人より低かった。
がんにかかった後治療を受けて生存する可能性は向上し続けている。最近5年(2011~2015年)の間に診断されたがん患者が5年以上生存する可能性を意味する「5年生存率」は、一般人が5年生存する可能性の70.7%で、2001~2005年に診断されたがん患者の生存率の54%より16.7%高くなった。5年生存率が最も高いがんは甲状腺がんで100.3%を記録し、続いて前立腺がん(94.1%)、乳がん(92.3%)の順だった。100%より高く出るのは、がんにかかっていない同じ年代の5年生存率よりむしろ高いという意味だ。酒・タバコなどを断ち健康に気に配った結果、むしろ生存率が高まったという話だ。
しかし、遅れて診断されるすい臓がんは依然として5年生存率が10.8%にとどまっており、肺がん(26.7%)、肝臓がん(33.6%)も半分に及ばなかった。2001~2005年に比べて5年生存率が10%ポイント以上高くなったがんは胃がんで、17.6%ポイント上昇し、続いて前立腺がん(13.7%ポイント)、肝臓がん(13.2%ポイント)、肺がん(10.2%ポイント)の順だった。胃がんの5年生存率は韓国が75.4%で、米国の31.1%より2倍以上であり、大腸がんも韓国が76.3%、米国は66.3%と表れた。
1999年以降に発生したがん患者のうち、2016年1月基準で生存していることが確認されたがん経験者は約161万1487人(全体人口対比3.2%)と集計された。