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たばこの箱に表記されない発がん物質、9種以上

登録:2017-04-11 23:20 修正:2017-04-12 07:30
食品医薬品安全処、公式調査を初めて発表 
一般たばこの煙からホルムアルデヒドなど発がん物質7種 
アセトアルデヒドなど発がん可能物質は5種検出 
電子たばこからもホルムアルデヒド、アセトアルデヒド検出
資料写真//ハンギョレ新聞社

 市中で販売中のたばこの箱に表記されていない発がん物質が9種以上あることが明らかになった。

 食品医薬品安全処は韓国国内で販売されている5種の一般たばこ400箱に対してを成分調査した結果、国際がん研究所が“1級”発がん物質に分類しているホルムアルデヒド、ベンゼン、ベンゾピレンなど7種と“2B級”発がん物質であるアセトアルデヒドなど5種が検出されたと11日明らかにした。この12種のうちでたばこの箱に記されていなかった発がん物質が9種もある。韓国政府がたばこの毒性情報を公開したのは今回が初めてだ。

 国際がん研究所は、発がん物質が人に癌を誘発する科学的根拠が充分と判断すれば1級、癌を誘発する根拠は制限的だが動物実験資料は十分な場合に2A級に分類している。2B級とは、人に癌を誘発するという根拠は制限的であり、動物実験資料が充分でない場合だ。

 一般たばこから検出された1級発がん物質のうち、たばこの箱の表面に記されていなかった成分は、ホルムアルデヒド、ブタジエン、4-アミノビフェニール、ベンゾピレンだ。2B級においてもアセトアルデヒド、カテコール、スチレン、イソプレン、アクリロニトリルの5種は出ていない。現行の表示制度は、たばこ事業法によりたばこの箱にニコチンとタールは含有量まで、ベンゼンとナフチルアミンなど7種は成分のみを表記するよう義務化されているが、残りの成分は表示しなくとも良い。

 断熱材や接着剤に多く使われるホルムアルデヒドは代表的な発がん物質で、露出すれば人の皮膚や粘膜を刺激して、咽頭炎・気管支炎・目まい・窒息などを起こす。1,3-ブタジエンは合成ゴムのような化学製品原料で、目・皮膚・呼吸器などに刺激を与え、高濃度で露出すれば目まいや窒息症状が現れる。2B級物質のアセトアルデヒドは目まい・嘔吐・頭痛・呼吸抑制・肺腫などを起こし、カテコールは血液の酸素運搬能力を低下させ呼吸困難や死に至ることがある。この他にスチレン、イソプレン、アクリロニトリルは中枢神経系をマヒさせる。

 食品医薬品安全処はたばこの煙から出る有害物質が、肺がんのみならず慢性閉鎖性肺疾患・肺気腫・慢性気管支炎・冠状動脈疾患・歯周疾患・糖尿・脱毛など多様な疾病の原因となる恐れがあると明らかにした。

 最近使用が大幅に増加している電子たばこの場合、液状ニコチンが加熱と酸化を経て製品により特定発がん物質の含有量が最大19倍に増加することが明らかになった。一部の製品はホルムアルデヒドとアセトアルデヒドの成分が液状状態の時より煙の状態でそれぞれ最高19倍、11倍高く検出された。ただし、紙巻きたばこの煙に含まれる発がん物質よりは濃度が低く、相対的に電子たばこが紙巻きたばこよりは有害性が低いことが調査された。

キム・ヤンジュン医療専門記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/790178.html 韓国語原文入力:2017-04-11 19:15
訳J.S(1406字)

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