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習近平国家主席の特使訪朝、朝鮮半島情勢転換のきっかけとなるか

登録:2017-11-18 07:15 修正:2017-11-18 08:43
宋濤、2年ぶりの中国高官級訪朝 
初日、北朝鮮序列2位のチェ・リョンヘと会談 
金正恩に習近平の親書などメッセージを伝達する見込み 
米中、韓米、韓中首脳会談直後で注目 
「対話局面の礎石」―「緊張持続」分かれる可能性
17日、中国の習近平国家主席の特使として訪朝した宋濤中国共産党対外連絡部長(右)が平壌の万寿台(マンスデ)議事堂でチェ・リョンヘ朝鮮労働党中央委員会副委員長と会っている=平壌/AP聯合ニュース

 中国の習近平国家主席の特使である宋濤中国共産党対外連絡部長の訪朝を翌日に控えた16日、中国共産党の機関紙「人民日報」と北朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」はそれぞれ関連ニュースを報道した。お互いに合わせたかのように、いずれも4面に前日の「新華社通信」と「朝鮮中央通信」が同時に発表した一文章の報道をそのまま掲載した。

 非常に短くはあるが、北朝鮮と中国の官営メディアが同時に同じやり方で報道したのは、当局間で事前の疎通がなされたことを意味する。両方ともかなり慎重な態度を見せているという分析が出ている。中国のある専門家は「労働新聞は、中国の官営研究機関が学術交流のために訪朝したというニュースも1面に掲載したことがあるのに、特使訪問を小さく掲載したのは、直ちには大きな意味を置かない現状況を代弁するものとみられる」と話した。訪問の意味が大きく解釈されることをまず警戒しているようだという話だ。

 宋部長は初日、北朝鮮権力序列2位のチェ・リョンヘ労働党中央委員会副委員長に会った。二人は同席者とともに会談したが、内容はすぐに伝わってきていない。空港ではリ・チャングン労働党国際部副部長が宋部長を出迎えた。

 宋部長は昨年5月、北朝鮮が労働党第7回党大会後に特使として送ったリ・スヨン党中央委員会副委員長に会っている。しかし、彼が対北朝鮮経験が豊富ではなく、政治局員の身分で2012年に特使として派遣された李建国に比べ格が低い中央委員級であるという点は、両国間の絆が弱体化されたというシグナルとして受け止められる。

 とはいえ最近2年間にわたり中朝間の高官級交流が事実上中断された状態で訪問したため、その意味は決して軽くない。中国外交部はこの日、宋部長の訪朝について「主要目的は第19回中国共産党全国代表大会の結果を通知し、北朝鮮側と両党、両国の共同関心事について意見を交換すること」と話した。儀礼的訪問だけではないことを示唆したのだ。

 宋部長は金正恩(キム・ジョンウン)労働党総書記に習主席の親書を伝えるものとみられる。2007年の第17回党大会での劉雲山特使や、2012年の第18回党大会での李建国特使は、それぞれ金正日(キム・ジョンイル)総書記と金正恩委員長に会い、胡錦涛主席(当時)の口頭親書と習近平主席の親書を伝えた。今回は中国が党大会を経て新たに樹立した「新型国際関係」などの対外政策や、最近の米中首脳会談などを通じてまとめた北朝鮮核問題に対する立場が届けられるものとみられる。

11月16日の「労働新聞」4面(左)と「人民日報」4面にそれぞれ宋濤中国共産党対外連絡部長訪朝のニュースが掲載された//ハンギョレ新聞社

 状況と時期のために中国でも期待をかける声がある。官営「チャイナ・デイリー」は社説で「宋部長の訪問は、北朝鮮核問題の解決策に対する関連国の見解の相違が接近する時期に行われた」と話した。同メディアは、首脳会談で文在寅(ムン・ジェイン)大統領と習主席が朝鮮半島の平和・安定に意見をそろえたことを想起させた。

 特に韓米、米中首脳会談まで開かれた直後であり、北朝鮮がこの日で63日間ミサイル発射など“挑発”をしていない状況なので、米朝の対話局面への転換に宋部長の訪朝が何らかのきっかけになるかが注目される。いつを起点にするかは不明だが、ジョセフ・ユン米国務省対北朝鮮政策特別代表が「60日間の挑発の中断」を対話再開の信号にすることができると言ったことが伝わりもした。一方、宋部長の訪朝がたいした成果がなく終われば、緊張の持続や悪化につながる蓋然性も多分にある。

北京/キム・ウェヒョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/china/819586.html 韓国語原文入力:2017-11-17 21:41
訳M.C(1869字)

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