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中国共産党対外連絡部長が訪朝…中朝関係の転機となるか

登録:2017-11-16 04:43 修正:2017-11-16 07:24
中朝の官営通信「17日から訪朝」 
先月第19回中国共産党大会の結果の説明が目的 
米中、韓中首脳会談をもとに北朝鮮の説得に乗り出す見込み
宋濤・中国共産党対外連絡部長//ハンギョレ新聞社

 宋濤中国共産党対外連絡部長が17日から習近平国家主席の特使として北朝鮮を訪問する。

 中国官営「新華社通信」は、習近平主席兼共産党総書記の特使として、宋濤党対外連絡部長(長官級)が17日に北朝鮮を訪問し、先月開かれた第19回党大会(全国代表大会)の状況を説明する予定だと、15日付で報じた。北朝鮮の「朝鮮中央通信」も同時刻に宋部長の訪朝事実を発表したが、その時期は明らかにしなかった。中国の長官級以上の高官が北朝鮮を公式訪問するのは、2015年10月の北朝鮮労働党創建70周年記念行事に出席した劉雲山当時政治局常務委員以来のことだ。

 宋部長の訪朝が、高官級交流もほぼ途絶えるほど凍りついた中朝関係の転機になるかどうかに注目が集まっている。社会主義国家の間では党大会後に代表団を派遣し、結果を説明する伝統があることから、中国の特使の訪朝はある程度予想されていた事案だったが、最近、ドナルド・トランプ米大統領のアジア歴訪を契機に米中首脳会談が行われ、韓中首脳会談でも北朝鮮核問題の解決策が主な議題になった中、中国がどのようなカードを持って北朝鮮と対話し、また北朝鮮がどのように対応するかが、朝鮮半島情勢の転換点になる可能性があるからだ。北朝鮮が最近2カ月以上核実験や弾道ミサイル発射などの緊張高揚行為を控えていることも、対話局面の転換に対する期待を高めている。

 中国外交部の耿爽報道官は15日の定例記者会見で、「宋部長の訪問期間中に、中朝は第19回党大会通報のほかにも両党・両国関係など、共同関心事案について意見を交換する」と述べた。

 一般的な国家関係よりも党対党の外交を重視する社会主義圏の伝統にしたがい、北朝鮮も昨年5月の第7回労働党大会後、リ・スヨン労働党中央委員会副委員長を中国に送って結果を説明した。宋部長も最近、党大会の結果を伝えるため、ベトナムとラオスを訪問した。ただし、2007年の第17回党大会後特使として訪朝した劉雲山中央宣伝部長と2012年の第18回党大会後の李建国全人大副委員長が権力序列25位以内の政治局員だったことに比べると、中央委員(権力序列204位まで)の宋部長は特使としては一段階低い。

 宋部長の訪朝をめぐる専門家たちの見通しは分かれている。東国大学のキム・ヨンヒョン教授は「宋部長は米中首脳会談の結果を持って北朝鮮に米国の立場と中国と合意した内容を具体的に説明し、対話に向けて方向転換しなければならないと強く求めるだろう」とし、「結果が良ければ、金正恩(キム・ジョンウン)委員長の訪中についても話し合われるだろう」と見通した。

 北韓大学院大学のヤン・ムジン教授は「対外連絡部長は、党対党の最高指導者間のメッセンジャーとしての役割を果たす。宋部長が金正恩委員長に会うことができれば、朝鮮半島の非核化と平和体制構築をめぐる議論を始めるきっかけになると思う」と話した。

 中国は朝鮮半島情勢の変化に向けた計画をまとめ、積極的に動き始めるものと見られるが、カギとなるのは北朝鮮の反応だ。北京大学の金景一教授は「北朝鮮の核問題においては、朝中は明らかに異なる立場を持っており、一回の接触だけで成果を期待するのは難しい」とし、慎重な見通しを示した。遼寧社会科学院の呂超研究員は「両方がともに発表を行ったことからも、ある程度疎通があったことが窺える。関係の進展を期待している」としながらも、「一瞬ですべてが妥結するようなことはないだろう」と話した。

北京/キム・ウェヒョン特派員、キム・ジウン、ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/china/819202.html 韓国語原文入力:2017-11-15 20:43
訳H.J(1706字)

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