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「平昌五輪を平和の火種にするためには、韓米合同演習の暫定中断を」

登録:2017-11-15 01:22 修正:2017-11-15 07:19
専門家ら、平和オリンピックを提案  
 
政府、北朝鮮の参加求め対話を提案 
 
専門家ら「北朝鮮の休止期は突破口見つけるチャンス 
2月の韓米合同軍事演習を延期または縮小すべき 
そうしてこそ北朝鮮が対話提案の真摯さを感じるだろう」 
 
元統一部長官「金正恩、馬息嶺スキー場に愛着 
北朝鮮との共同開催で対話の扉開ける可能性も」
今月4日午前、慶尚南道昌原市鎮海海上の文武大王艦で、キム・ギュファン少佐が平昌冬季五輪の聖火リレーをしている。同日、海軍将兵132人は甲板の上で「平昌冬季五輪2018」のエンブレムを表現して海上リレーを祝った=海軍提供//ハンギョレ新聞社

 13日(現地時間)、国連総会で平昌(ピョンチャン)冬季五輪停戦決議が全会一致で採択され、来年2月を朝鮮半島における情勢転換の契機にしようとする文在寅(ムン・ジェイン)政権の「平和五輪」構想も第一歩を踏み出した。政府は86日後に迫った来年2月の平昌五輪をきっかけに、北朝鮮との対話を望んでいると切り出した。

 統一部は14日、「国連総会の平昌五輪停戦決議に関する統一部の立場」を発表し、「北朝鮮が直ちに平昌五輪への参加を確定して、南北が会って平昌冬季五輪を平和五輪として開催するための諸問題について虚心坦懐に議論していくことを望んでいる」と明らかにした。さらに、「いま、朝鮮半島には緊張が高まっているが、南北が平昌五輪で会って対話し和合することができれば、朝鮮半島の平和の新たな始まりになるだろう」と強調した。政治的負担が少ない平昌五輪への北朝鮮の参加を督励し、もう一度対話を提案したのだ。

 専門家らは、来年の平昌五輪を朝鮮半島の平和の火種にするためには、政府が今年9月15日以降、2カ月間も核・ミサイル試験を行っていない北朝鮮の「一時的休止期」を狙うべきだと助言する。また、五輪停戦決議と連携し、来年2~3月に行われる予定の韓米年次合同軍事演習(キーリゾルブ、トクスリ演習)を延期または縮小する案を、政府が積極的に考慮しなければならないと強調した。

 仁済大学のキム・ヨンチョル教授は「いま最も重要なのは、北朝鮮が核実験と長距離ミサイルを発射しないという政治的宣言を引き出すこと」だとし、「このためには、まず交渉プロセスを成功させなければならない」と強調した。彼は「交渉過程で、(韓米)軍事演習の延期・縮小や4カ国会談なども取り上げることができるだろう」とし、「双中断(北朝鮮の核・ミサイルの暫定中断、韓米連合演習の中止)は北朝鮮も要求したもので、北朝鮮が断る理由はないだろう」と見込んだ。

 東国大学のコ・ユファン教授も「北朝鮮の核問題の突破口を見出そうとする雰囲気の火種を生かすためにも、北朝鮮が(韓国側の)真摯さを確認できる手続きが必要だ。それに向けてカギとなるのが韓米合同軍事演習」だとしたうえで、「韓米がうまく調整し、停戦決議期間中の軍事演習の中止を決定すれば、(突破口作りの)可能性を確認できるだろう」と話した。韓米当局はこれまで、両国の軍事演習は正常な「国家活動」であるため、北朝鮮の「核活動」と交換できるようなものではないとの立場を示してきた。同大学のキム・ヨンヒョン教授は「北朝鮮の追加挑発がない場合は、北朝鮮の五輪参加を要請するために(北朝鮮への)特使派遣も慎重に考慮する必要がある」と話した。キム教授は「(特使を通じて)五輪期間中、軍事境界線などで突発的な衝突の可能性を備えるために南北間の『ホットライン』の復旧を話し合うこともできる」と付け加えた。

 金大中(キム・デジュン)・盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権で統一部長官を務めたチョン・セヒョン朝鮮半島平和フォーラム理事長は、「旧正月をきっかけに離散家族の再会を提案する方法もある」と助言した。すでに旧正月を前後にした離散家族の再会が4回(2001、2003、2006、2014年)も開かれており、五輪期間と重なる来年旧正月連休(2月15~18日)を前後に離散家族の再会を推進できるということだ。北朝鮮の4大名節の一つである光明星節(金正日<キム・ジョンイル>総書記の誕生日、2月16日)が旧正月の当日と重なることも、北朝鮮が関心を示す可能性がある要素だ。平昌五輪(2月7~25日)期間に金剛山(クムガンサン)で南北離散家族の再会が行われれば、全世界が朝鮮半島に注目する契機になると思われる。

キム・ジウン、ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/819046.html 韓国語原文入力:2017-11-14 21:25
訳H.J(2020字)

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