登録 : 2017.11.09 02:42 修正 : 2017.11.09 08:00

ドナルド・トランプ米大統領(左側から2番目)が今月8日、北京にある紫禁城の暢音閣で、中国の習近平国家主席(右側から2番目)と共に座り、京劇公演開始を待ちながら対話を交わしている=北京/AP聯合ニュース
 日本と韓国を経て、中国を訪問中のドナルド・トランプ米大統領のアジア歴訪「三国志」の輪郭が明らかになりつつある。

 日本では手厚いおもてなしを用意した安倍晋三首相との蜜月ゴルフと“友情”が話題になったが、トランプ大統領が去ってから残ったのは冷静な評価と期待に及ばなかった貸借対照表だ。ワシントンポスト紙は、安倍首相が「トランプの忠実な助手」であり、「同盟関係に対するトランプの支持を得るために、戦略的奴隷状態に甘んじている」として、安倍首相が誇ってきた「ドナルド・晋三の蜜月関係」の実体に冷ややかな評価を下した。

 安倍首相は自分のロールモデルであり英雄である母方の祖父、岸信介元首相が1957年に米国を訪れた際、アイゼンハワー大統領とゴルフをしながら友情を深め、結局、日米安保条約改正を成し遂げた思い出を誇らしげに語ってきた。それをモデルにして、トランプが大統領に当選した直後、ニューヨークのトランプタワーに飛んで行き、540万ウォン(当時の為替レート約50万円)のゴルフクラブをプレゼントすると共に、米国と日本で相次いで一緒にゴルフを行っただけではなく、数十回の電話通話をする間柄だということを自慢してきた。韓国の保守勢力は、(十分に親米的ではない)文在寅(ムン・ジェイン)大統領が安倍首相に先を越されて「コリア・パッシング」(韓国排除)を受けていると声を高めた。

 しかし、トランプ大統領は決定的瞬間には結局カネの論理で動いた。「米国はかなり長い間、日本による巨大な貿易赤字に苦しんでいる」としたうえで、「米国の先端兵器をさらに購入すれば、北朝鮮ミサイルを迎撃できる」としながら、請求書を突き付けた。

 韓国でもトランプ大統領は指導者というよりも事業家または武器商人の姿だった。首脳会談後の主なメッセージも「韓国が数十億ドルの軍事装備を注文すると約束した」、「韓国側が米国の多くの兵器を購入したことについて感謝する」だった。

 メッセージは明らかだ。トランプの米国やアジア諸国の関係は、同盟ではなく取引関係に変わっている。安倍首相は「助手」、「奴隷」と呼ばれる恥辱を甘受してまで、日米同盟を中心に韓国やインド、オーストラリアなどを引き入れ、中国を牽制しようとする戦略を練って緻密な外交を展開してきたが、トランプの関心が戦略よりは“商売と取引”にあるという根本的な限界は超えられなかった。トランプの12日間にわたるアジア歴訪が終われば、アジアで米国のソフトパワーと信頼は薄れ、各国政府は“米国以降”のアジアについて考えざるを得ないだろう。

 三国志のもう一つの軸は「皇帝の帰還」だ。8日、紫禁城でトランプ大統領を迎えた中国の習近平国家主席は、皇帝が通っていた道に沿って主要な建物を紹介し、共にお茶を楽しんで京劇を見た後、宴会を開いた。特に習主席が晩餐会を開いた建福宮は乾隆帝が居住し、宝物を保管していた場所で有名だ。京劇を観覧した暢音閣は乾隆帝の時代に建てられた清朝王室の演劇公演場だ。帝国が最大版図と繁栄を誇っていた最全盛期の皇帝である乾隆帝が大事にしていた九重の宮殿での宴会は手厚いおもてなしだが、中華民族の偉大な復興を象徴する「習皇帝」の戴冠式に米国大統領を付き添いに立てたものかもしれない。ロシアの大統領選挙への介入疑惑で特検捜査に追われ、最悪の支持率に苦しみ、目の前の金銭的成果を急ぐ米国の指導者は、「習皇帝」率いる強力な中国の浮上にさらに有利な条件だから、歓迎しないわけがない。
パク・ミンヒ国際エディター//ハンギョレ新聞社

 しかし、これまで40年間にわたる市場化への疾走で積み重なった難題を解決するという名分があるとしても、1人権力や政治・社会的統制の強化、中華主義を強調している習近平時代は、近隣諸国に不安な影を落としている。

 乾隆帝は、服従する人には寛容たが、反抗する人にはあまりにも苛酷だった皇帝だ。彼の時代は先代皇帝たちが積み上げた基礎の上で帝国の最全盛期を誇ると同時に、帝国が衰退の道に入った時期でもあった。習近平の「新しい時代」はどちらに向かうだろうか。

パク・ミンヒ国際エディター(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

韓国語原文入力: 2017-11-08 20:19
http://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/818136.html 訳H.J(1935字)
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